出版社内容情報
心理査定データベース「アトラス」の具体的な手法を事例とともに紹介し、その妥当性と意義を考察する。初心者が臨床現場で幅広く活用できるよう配慮して解説し、エビデンスベースドの重要性を示す対談も掲載している。
内容説明
臨床心理査定アトラス法とは、ロールシャッハ法、ベンダー・ゲシュタルト法、火焔描画法の三つのテスト結果を数値化して作成された心理査定データベース(アトラス)を活用して、人格的特徴や臨床的情報を得る心理査定法である。本書では、アトラスをいかに使いこなすかの具体的な手法について、初心者にもわかるように、実際の事例をもとに紹介し、各領域の事例にアトラスを適用することの妥当性と意義についても考察する。また、エビデンスベースドの重要性や今後の臨床心理学について考察する対談や、ユング派に近い立場からの論述も掲載している。
目次
第1部 『アトラス』をいかに使いこなすか(質的素材へのアプローチ法である「臨床心理査定アトラス」;心理臨床における「臨床心理査定アトラス」と判定確信の活用―事例を理解し、記述し、伝えること;精神科臨床における「臨床心理査定アトラス」の利用―統合失調症圏の事例からの心の多面性情報を読み取る;非行少年のロールシャッハ・サインデータに対する「臨床心理査定アトラス」適用の試み)
第2部 『アトラス』をいかに発展させるか、何が提案できるか(不登校の予後を検討する;『アトラス』MAPを発展させる―アトラス・エンドポイント(AMEP)の作成
自殺未遂事例のエンドポイント値
出生前後に有機水銀曝露を受けたと推定される人たちの40年後の人格像 ほか)
著者等紹介
佐藤忠司[サトウチュウジ]
1932年新潟市に生まれる。1955年新潟大学人文学部心理学専攻卒業。1960年新潟県立療養所悠久荘勤務。参事・臨床心理業務担当。1991年新潟心理相談システム開設主宰し、現在に至る。この間、新潟大学、名古屋大学、秋田大学、放送大学、大妻女子大学で大学院講師。2004年日本心理臨床学会学会賞受賞。2006年新潟青陵大学大学院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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