内容説明
物質合成や新物質の開発は、資源とエネルギーを大量消費する従来の方式から、使用量を最小限に抑え、選択的かつ高収率な合成法への転換が強く望まれている。本書は、このような背景を考慮し、“温和な”条件下で目的物質を効率的に得る、溶液を反応場とした無機合成法を詳述した。1章は液相合成法の基礎的事項、2章はセラミックスや電子材料などの前駆体の製造における重要な析出反応、3章は固体触媒やゼオライトなどの材料の合成に用いられる重縮合反応、4章は無機薬品や生体関連物質にも関係する金属錯体の合成法について解説する。合成操作のみを羅列する記述を避け、方法論的に体系化した記述を試みた、今後のスタンダードになりうる一冊である。無機工業化学を専攻する学部学生、大学院生、また関連企業の研究者にも大いに役立つ教科書・参考書である。
目次
1章 溶液相合成法の本質
2章 析出反応
3章 加水分解・重縮合反応
4章 錯体生成反応
付録(合成操作例;キャラクタリゼーションの方法;元素の周期表)
著者等紹介
永長久彦[エイナガヒサヒコ]
1960年名古屋工業大学工学部卒。1969年理学博士(東京工業大学)。筑波大学教授を経て1989年名古屋工業大学教授。2000年同大学退官
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