内容説明
初学者のために、数式をほとんど用いずに、素粒子の基礎から最先端の理論・実験までを、わかりやすく解説した入門書。初めに素粒子とは何かを概説し、第2の部分で「標準理論」がいかに確立され、どのように理解できるか、さらにその限界について解説する。最後に標準理論を超えようとする現在の理論・実験の取組みについて述べる。付録では本文の説明に関連した数式による簡潔な解説を与えている。
目次
粒子と場
素粒子の性質と種類
粒子の安定性と保存則
ミクロの世界を探る手段
新粒子の発見とクォーク模型
量子電磁力学
量子色力学
弱い力
電弱理論の枠組み
質量を与えるヒッグス機構
標準理論の光と影
標準理論を超えて―大統一理論と超対照性
ミクロとマクロ(宇宙との関連)
理論最前線
実験最前線
著者等紹介
渡辺靖志[ワタナベヤスシ]
1975年米国コーネル大学大学院博士課程修了。米国アルゴンヌ国立研究所研究員、東京大学助手、高エネルギー加速器研究所助教授を経て、1988年東京工業大学理学部教授。1998年東京工業大学大学院理工学研究科教授(改組により)。1995年ヨーロッパ物理学会特別賞。1999年1998年度朝日賞(団体)。1999年1999年度手島記念研究論文賞
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感想・レビュー
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サンセット
2
比較的簡単な数式や反応式と共に解説されており、高校レベルの知識があればひとまず読めると思うので、新書以上の事が知りたい一般人向けとしても良い本だと思う。軽い気持ちで手に取ったけど、思わず相対性理論や量子力学を学ぶきっかけになった。結局深い部分は100分の1も理解できた気がしないけど、それでも出来る限りの概観を、多少なりとも式を用いて学べる。読み終えるのにあえて遠回りしてみたけど、理論は多分どこまで行っても現実そのものでは無いから、弦理論や統一理論が構築できても説明できない現象は残るだろうと思った。2015/09/21
若井水色
1
専門書に近いものであるため記録するが迷ったがレビュー。素粒子の基礎から標準模型とその先までを概観した本。実験に即して話題が進んでいく。難しい計算などは付録にはじかれているため、そこそこに物理と数学がわかるのならば大学1,2年生でも読める。もしかしたら高校生でも読めるかもしれない。もっと早くに呼んでおけばよかったと思う。がっつり標準模型や素粒子物理をやりたい人よりは大雑把に知りたい人向け。実験屋に進みたい人もいいかもしれない。ちゃんとやりたい人には朝倉物理体系の「素粒子物理学」がいいかもしれない。2021/01/20
らんまる
1
久しぶりにいい本読んだ気分。実験屋さんだから、普通の本には触れられない検出技術の詳細とかが書いてあり、おもしろかった。2011/04/13