内容説明
近代科学はどのように形成されてきたのか、天文学、力学、光学の一部で始まった近代科学がどのようにして今日の広大な科学にまで展開してきたのか、近代科学はどのようにして伝わり、受け入れられていったのか、という時間的あるいは地域的・文化的に異なる三つの位相から多角的にとらえ、これによって近代科学という広大な知的分野の歴史的本質を解明する。
目次
3部 近代科学の移転(太平洋をわたる科学―19世紀後半の日米科学文化交渉史;明治初期におけるお雇い米国人科学教師の足跡;明治前期の日本における科学と技術―当時の学術雑誌論文記事に表われたその趨勢;明治初期の学術雑誌と進化論;明治初期のダーウィニズム;E.S.モースの動物学・日本研究・その他;ヴィーダーの視程観測とその再評価―東京から富士山の見える年間日数;魔鏡の科学史;明治期における物理学の受容と定着―オーストラリアとの比較をふまえての再考察;「自然の渋滞」考―人間の回復を希求して;近代における日本人の自然観―西洋との比較において)