内容説明
近代科学はどのように形成されてきたのか、天文学、力学、光学の一部で始まった近代科学がどのようにして今日の広大な科学にまで展開してきたのか、近代科学はどのようにして伝わり、受け入れられていったのか、という時間的あるいは地域的・文化的に異なる三つの位相から多角的にとらえ、これによって近代科学という広大な知的分野の歴史的本質を解明する。
目次
1部 近代科学の形成(F.ベイコンの学問革新論―その宗教的起源;F.ベイコンにおけるフィランスロピー;地球中心体系と太陽中心体系との対応関係;ガリレオの潮汐論;最近におけるニュートン研究;ニュートンの動力学理論―E.J.Dijksterhuisの新解釈をめぐって;ニュートンの質量概念および定義について;ニュートンの「法則3」と重力;ニュートンの“瞬間”;近代科学とキリスト教)
2部 近代科学の展開(科学的概念の形成と理解;光と熱に関するウィリアム・ハーシェルの研究―とくにニュートン科学との関連において;S.L.メトカーフのカロリック理論;エネルギー概念の成立)