内容説明
「実在とは何か」という問題は、ギリシャ哲学の時代から現代に至るまで、多くの人々によって論じられてきた。本書は、この問題を、現代物理学の根幹である量子力学の知見をもとに探ろうとするものである。
目次
1 序論
2 デモクリトスからピタゴラスへ
3 経験の哲学
4 分離不可能性
5 いじわるで不細工な幕間劇
6 科学主義についてのコメント
7 経験の哲学に対するアインシュタインの反論
8 他のアプローチ―懐疑的な注釈
9 覆い隠された実在
10 神話とモデル
11 科学と哲学
12 分離不可能性と反事実性
13 展望
14 結論
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
死の舞踏
1
実在とは時間を超越する不変なものであり我々とは無関係に存在する。自然科学とは何を実在とみなすべきか、そして実在の持つ性質と人間の感覚を丁寧に選り分け本質に迫ろうとして来た。量子力学の出現はこの営みを一気に崩し去り再び人間が万物の尺度であった時代に引き戻すかのように見える。観測の伴わない実在は定義し得ず、物理的状態は実在にとって二議的な性質によって記述される。実在支持者は悉く実験に看破されて行く。しかし著者は実在を問い続けると宣言する。変わり果てた実在の姿に遭遇するであろう。観測される量だけで議論すれば↓2013/01/30
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