内容説明
「情報数学」の内容について、著者は「情報を志すのに必要な知識」より、むしろ「情報科学を研究していくための数学的素養、たとえば数学的に論理を構成していく感覚、というものを身につけること」を重視して、集合、代数系、確率、統計の4項目を情報の基礎数学と考えている。本書はこのような考えのもとに、全体を、基本概念・代数系・確率、統計・確率過程の5つの章に分け、初学者向きに丁寧に解説している。説明にあたっては、必要な定義、定理はすべて網羅し、特に重要な定理には詳しい証明を載せている。また、例題、演習問題を適宜設け、考え方の筋道が理解できるよう丁寧な解答を付している。
目次
1 基本概念(命題・論理;集合;関係;順序関係と順序集合;写像)
2 代数系(代数系と準同形;プール代数;半群と群;環と体;線形空間)
3 確率(順列、組合せ、2項定理;確率の計算;確率変数)
4 統計(標本と母集団;統計的推定;統計的検定)
5 確率過程(正規マルコフ過程)
付録(正規分布表;t分布表)