内容説明
2020年から世界的なパンデミックとなった新型コロナの流行においては、流行過程の理解、予測や制御手段の評価において、微分方程式による数理モデルが不可欠であることが広く認識されるようになった。いまや微分方程式による数理モデルは、「根拠に基づく政策」を推進・理解するための基本的リテラシーとして求められている。本書は、生物学や社会科学への応用を意識して、現象の数理モデルを作成するツールとしての常微分方程式の基礎知識を学ぶことのできる教科書・参考書である。解説にあたっては、単なる計算手法について述べるだけでなく、具体的な例をとおして数理モデルの見方・考え方についてまで言及しており、読者は興味をもって読み進めることができよう。微分方程式による生命と社会の数理モデルを考えていくための絶好の入門書である。
目次
1 1階微分方程式(最初の例;1階線形微分方程式 ほか)
2 2階線形微分方程式(基礎定理;定数係数2階同次線形微分方程式 ほか)
3 連立線形微分方程式(基礎的性質;定数係数の同次線形連立微分方程式 ほか)
4 非線形系の基礎理論(微分方程式と力学系;2次元の線形微分方程式の流れ ほか)
5 生命と社会の数理モデル(予防接種を行うべきか?;食うものと食われるものの数学 ほか)
著者等紹介
稲葉寿[イナバヒサシ]
1957年神奈川県茅ヶ崎市に生まれる。現在、東京大学名誉教授・東京学芸大学特任教授
國谷紀良[クニヤトシカズ]
1985年神奈川県横浜市に生まれる。現在、神戸大学大学院システム情報学研究科教授・同大学高等学術研究院卓越教授
中田行彦[ナカタユキヒコ]
1983年奈良県奈良市に生まれる。現在、青山学院大学理工学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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