内容説明
大学初年級理工系用の線形代数の通年講義で用いられることを前提に書かれたテキストであり、次の特長がある。(1)前期12回、後期12回の講義を想定し、全24章とした。各章は6頁から成り、1頁目がその章の要約、2~5頁は講義内容、6頁目は演習問題である。(2)概念を理解するため、基本的実例とやさしい例題を数多く取り入れた。(3)証明を省略せず、確実に知識を身につけるように解説している。(4)章末の演習問題には、全問題に対して詳しい解答があり、独習にも役立つ。初学者のため、具体的な数ベクトル空間で記述することからはじめ、数理科学コースの学生にも十分に役立つように、抽象ベクトル空間で成り立つ記述法まで解説する。多少高度な固有値と対角化、ジョルダン標準形、実2次形式を述べているのも本書の特色である。
目次
準備
行列
正方行列
正則行列・行列のブロック分割
掃き出し法
掃き出し法の応用
行列式
余因子展開
行列式の応用
ベクトル空間と基底〔ほか〕
著者等紹介
小林正典[コバヤシマサノリ]
1964年岡山生まれ。東京大学理学部数学科卒業。博士(数理科学)。東京工業大学助手、東京都立大学助教授を経て、首都大学東京准教授
寺尾宏明[テラオヒロアキ]
1951年東京生まれ。東京大学理学部数学科卒業。理学博士。国際基督教大学(ICU)助教授、ウィスコンシン大学教授、東京都立大学教授を経て、北海道大学理学研究院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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EngStdyAc
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大学一年のときに授業で教科書として使用しました。 この本は他の多くの教科書とは違い、照明の省略が一切ありません。演習問題の解答も全て書かれています。多くの教科書では省略されているジョルダン細胞の一意性や存在についても付録で証明がなされています。本が薄いため、一見内容も薄いと考えられるかもしれませんが必要十分な内容であると思われます。工学よりも理学を学びたい人にはおすすめです。長谷川先生の線型代数学は分厚く、内容も同様に濃いですがこの本のように必要十分にまとまっているほうが私は好きです。