内容説明
本書は、測度論を基礎におくエルゴード理論を用いた解析的力学系理論の最近の展開を紹介・解説した書である。幾何的な方法を用いた力学系理論は豊かな結果をもたらしているが、それだけでは取り扱うことができないものに「非線形現象」がある。それに有効な方法として解析的手法の力学系理論が生まれた。最近では両者の関連もあきらかになってきており、その融合のもと新たな「収穫」が期待されている。なお、本書では読者の理解を助けるために、議論を2次元ユークリッド空間上で展開している。また測度論、確率論の初歩からの解説もくわえる。
目次
第1部 解析的展開の力学系理論(エルゴード定理からの双曲性;双曲性の与える自然な確率測度;SRB測度の位相的条件)
第2部 エルゴード理論の基礎(測度論の初歩とエルゴード性;エントロピー;情報関数とその応用)
著者等紹介
青木統夫[アオキノブオ]
1969年、東京都立大学大学院理学研究科博士課程中退。現在、中央大学商学部教授・東京都立大学名誉教授、理学博士。専門はエルゴード理論・力学系理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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