内容説明
本書は、線形代数の要点をわかりやすく解説した基礎課程向けのテキストである。初学者にもなじみ深い幾何学的なベクトルや2次、3次の行列のように、直観的なイメージが描け、具体的な計算ができる題材をまずとりあげ、基本概念の理解が十分に深められるよう構成している。線形写像については、図形の回転を例にあげ、行列表現との対応を考察することに重点をおいている。また、連立1次方程式、固有値と行列の対角化については、講義時間数に応じて一歩進んで学習できるよう、やや詳しく記述している。各章には例題、問題、章末演習問題を多数設け、詳細な解答を付けて、学習の便宜を計っている。線形代数特有の抽象概念を押しつけるような記述は避け、具体的な問題と結びつけるよう工夫されており、初学者にとって好個の入門書である。
目次
1 ベクトル
2 行列
3 行列式
4 線形写像
5 連立1次方程式
6 行列の対角化