出版社内容情報
狂人、裏切者、殺人者、倒錯者、放蕩者などとレッテルを貼られ、歴史の教科書などで「悪人」と教えられた人々は、本当にそうだったのか? 後の世の誰かがある意図のもと作り上げた虚像ではないのか? その闇に光を当てる。
内容説明
ネロはローマの大火を引き起こしたのか?狂人、裏切者、殺人者、倒錯者、放蕩者…そうした決まり文句が、歴史上の呪われた人々の肌に貼りつけられている。
目次
なぜこれほど憎まれるのか
1 ネロ―放火狂の暴君か、誇大妄想の芸術家か
2 アッティラ―神の災いか、英雄か
3 ジャック・クール―詐欺師か、篤志家か
4 ルクレツィア・ボルジア―天使か、悪魔か
5 カトリーヌ・ド・メディシス―卑劣な裏工作者か、老練な交渉者か
6 ラリー=トランダル―愚かな頑固者か、贖罪のいけにえか
著者等紹介
モテ,ヴァンサン[モテ,ヴァンサン] [Mottez,Vincent]
歴史分野を専門とする作家、ジャーナリスト。いくつかの雑誌に寄稿しているほか、フランス・テレヴィジオンの「歴史の秘密 Secret d’Histoire」のディレクターもつとめている
太田佐絵子[オオタサエコ]
早稲田大学第一文学部フランス文学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
16
「ネロ――放火狂の暴君か、誇大妄想の芸術家か」 もうこれはローマの火災を前に、下手な竪琴をかき鳴らしているイメージ先行だろう。皇帝クラウディウスと結婚して、我が子を皇帝にしようとした母小アグリッピナのおかげで皇帝になったのに、その母をも殺そうとする。ところが最初溺死させようとしたが、アグリッピナが泳ぎが達者なので助かってしまうという、トホホな落ちがつく。結局「皇帝を生み出したこの胸を刺すがいい!」と劇のセリフみたいなことを言ってアグリッピナは亡くなる。なんだかこっちの方がかっこいいぞ。2025/03/07
がんちゃん
2
ネロやルクレツィア・ボルジア、カトリーヌ・ド・メディシスなど名前とその悪名が巷に残る人物の実際の姿は、果たしてという内容。今ならSNSで瞬時に悪名が轟くのだろう。なかでは、ラリー・トランブルに興味が湧いた。あのフランスがインド周辺で足跡を残していないのが不思議だったが、決してそんなことはなかった。他国との争いに敗れたのね。まだまだ知らないことばかり。人の評価の本当の処を知るのは難しい。まだ下巻あり。図書館本でまだきれい。2025/04/17
Go Extreme
1
スケープゴートと歴史の変遷: スケープゴートの概念 権力者によるスケープゴート利用 ネロ: ローマ大火とその疑惑 キリスト教徒の迫害 芸術への執着 アッティラ: ローマ帝国との戦争 イタリア侵攻とレオ1世との会見 ジャック・クール: フランス王シャルル七世との関係 経済政策と商業の発展 ルクレツィア・ボルジア: 政略結婚と政治利用 陰謀と暗殺の疑惑 カトリーヌ・ド・メディシス: サン・バルテルミーの虐殺 宗教戦争の調整と交渉術 ラリー=トランダル: フランス植民地戦争での指揮 戦略の成功と失敗2025/02/20