出版社内容情報
「正常」な読み方なんてない。難読症(ディスレクシア)、過読症、失読症、共感覚、幻覚、認知症といったニューロダイバージェントな人々の読み方を歴史的にたどり、改めてとらえなおす「文字を読む」ということ。
内容説明
読むことに困難を抱える人々はどのように読んでいるのか?難読症、過読症、失読症、共感覚、幻覚、認知症の人々の読み方とは。
目次
序章 厄介な読者
第1章 難読症―ディスレクシア
第2章 過読症―ハイパーレクシア
第3章 失読症―アレクシア
第4章 共感覚―シナスタジア
第5章 幻覚
第6章 認知症
終章
著者等紹介
ルベリー,マシュー[ルベリー,マシュー] [Rubery,Matthew]
ロンドン大学クイーン・メアリー校現代文学教授。ヴィクトリア朝文学、メディア史専攻
片桐晶[カタギリアキラ]
翻訳家。児童書からビジネス書まで幅広いジャンルを手がけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ののたま
10
本の読み方は多様だということが分かった。▲識字率の向上により脳や、神経の多様性による識字の違いが可視化されるようになった。難読症は知っていたが、文字から色や味覚を知覚する共感覚は初めて知った。脳内で音読されるのもある種の共感覚なのか。▲自分の中で、Audibleを読書ではないと毛嫌いする風があったが、本書を読み、字を追いかけて読むだけが読書ではないことが知ることができた。技術の発達により、読書の障壁が低くなりつつある良い兆しと思いたい。2025/04/04
yuma6287
7
ファクトフルネス@"読む"。古代から現代まで、ディスレクシア、ハイパーレクシア、失読症等をレポートやエッセイを引用し、読書の定義に迫る一冊。毎日当たり前に行なう読書という行為が、かくも複雑で定義困難な動作なのかと驚いた。昨日の心・血管修復パッチ「シンフォリウム」の存在を知った時の感情を終始持った。メモを書き込んだり、社会的に配慮された本を販売するといった、アルツハイマーの罹患者の対策や、環境整備が未知の領域で特に面白かった。文章も内容も難しいが、とても為になる本。特に小学校教育に関わる人は読んで損は無い。2024/06/09
たかぴ
7
読む事は人類にとっては異常な事かも知れないんだな。 これだけ読み過ぎ、読めない、についての種類が多いというのが。2024/04/20
田中峰和
4
ニューロダイバーシティに関する本。脳や神経が読字に関連する症状を、受け入れようとする考え方をテーマごとに解説してくれる。難読症(ディクレシア)は、読み書きができないのだが、現代では学習障害として捉え、昔ほどバカ扱いはしないし、それこそダイバーシティなのだ。次に過読症(ハイパークレシア)。自閉症と関連づけられ、映画レインマンで登場する人物もこれにあたる。一度見れば写真のように正確に捉え記憶するが、意味は理解していない。脳卒中から発症する失読症は病をきっかけに読めなくなる。認知症は老齢に伴い発症する。2024/05/27
ebi_m
3
ニューロダイバーシティの観点から、一般的な読み方では「読めない」人がそれぞれの読み方で「読んでいる」ことについて、難読症(ディスレクシア)、過読症(ハイパーレクシア)、失読症(アレクシア)、共感覚、幻覚、認知症に章立てて紹介。とにかく事例が多く、注も3段組38ページきっちりつけているが、残念ながらほぼ英語文献(未訳)のため手に負えない。読んだ本や読みたかった本もちらほら。/文字・活字文化や読書離れは紋切り型に報じられがちだが、狭い固定観念ではなく広く捉えるように、読みたい人が各々読める社会になってほしい2025/01/29
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