出版社内容情報
昨日の敵は今日の主君、生きるが勝ち……。織田、豊臣、徳川と、いくたびも主君を代えながら戦国の世を生き延びたある武士の物語。歴史学者が資料に基づいてリアルに書き下ろした「真の戦国の姿」
内容説明
昨日の敵は今日の主。「人からあざけられようとも、かまうことはない。命あっての物種ゆえ、長生きせよ」本能寺に一番乗りした武士の波乱の生涯を歴史学者がリアルに描きあげる。
著者等紹介
浅倉徹[アサクラトオル]
作家、日本史研究者。著書に『黒き侍、ヤスケ』。また、研究者として別名義で著書がある。大学で講義を行うかたわら、日本全国の史跡を取材。戦国時代や江戸時代の侍の歴史に関心がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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onasu
14
丹波の地侍・本城惣右衛門。領地はあるが、山賊働きもせざるをえない主従の暮らしに、信長の将軍義昭の追放から戦国の嵐が押し寄せてきた。 地侍に主従関係はなく、当初は義昭を奉じる側に与していたが、紆余あって信長方の明智勢に転ずると本能寺に攻め込むことに。無事に宿所には戻れたが、どうも居心地が悪く丹波に戻ると、今度は堀尾吉晴、次いで豊臣秀長、増田長盛と主を変えていくが、関ヶ原の後は長らく浪人、大坂の陣の後にやっと越前松平家に。 当人の覚書を元にしたフィクションということで、武人目線で当時を覗いてこられました。2023/08/06
グランくん
0
丹波の地侍で、赤井家に仕え50石取だった父の家督を継いだ本城惣右衛門。 明智光秀の丹波攻めに遭い戦うが、主家が降伏し、赤井家もろとも光秀家臣となる。 その後も、本能寺を経て秀吉の世となると、弟の秀長に仕える等転々とし、最後に越前松平家で三大家光の代で没する。 「命あっての物種ゆえ、長生きせよ」がもっとうの男の生き様が描かれております。2024/01/23
zuisei
0
丹波の国衆の跡取りとして生まれ、光秀と戦う。 丹波が光秀に征服された後に明智に使える。 そこで本能寺の変に従軍する。 その時の経験は、貴重である 。その後、点々と主君を変えながら、戦国を生き抜いていく。その時々のいた場所や戦の状況が興味深い。 結局、仕えた主君の運により、使えた侍の運命も左右される 。その状況がよくわかった。その内容は嘘くさい小説とは違い、リアルであり、なるほどと思わせる。本城惣右衛門。家光の治世まで長生きする。国衆の貴重な証言だ。評価52023/08/17