出版社内容情報
ヒトラーの奇妙な菜食主義、スターリンが仕掛けた夕食会の罠、毛沢東の「革命的」食生活、チャウシェスクの衛生第一主義、ボカサの皇帝戴冠式の宴会、酒が大量消費されたサダムのディナーなど、この本は暴君たちの食にまつわる奇癖やこだわりを描く。
内容説明
スターリンが仕掛けた夕食会の罠、チャウシェスクの衛生第一主義、酒が大量消費されたフセインのディナー…暴君たちの食卓をとりまく、不穏でときには悲喜劇を思わせる雰囲気に読者を誘う。国や時代によって、料理も背景も変わるが、共通点は献立表に「恐怖」が載っていることである。
目次
第4章 ニコラエ・チャウシェスク―ごり押しと、謀略と、コネ
第5章 ヨシフ・スターリン―うちに来て一杯やりませんか?
第6章 サダム・フセイン―腹一杯なら革命を思わない
著者等紹介
ルドー,クリスティアン[ルドー,クリスティアン] [Roudaut,Christian]
作家、プロデューサー
村上尚子[ムラカミナオコ]
フランス語翻訳家、司書。東京大学教養学部教養学科フランス分科卒
清水珠代[シミズタマヨ]
上智大学文学部フランス文学科卒業
田辺希久子[タナベキクコ]
青山学院大学大学院国際政治経済研究科修了。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ののまる
4
ごはんって怖いわあ。2024/04/08
むさみか
4
冒頭のチャウシェスクの話から 驚きの連続でした チャウシェスクの落とし子たちという 不憫な世代があったんですね・・・ 暴君たちは 贅沢な宴会を 繰り返しつつも 側近を疑い 次々に殺害し だれも残らない・・・ あまりにも見事に それを繰り返すものだから 独裁者と言うのは 贅沢な宴会の中で 味方を殺すことしか 考えてないんじゃないか とも思える 到底幸せな生活だとは 思えませんよね これぞ 馬鹿々々しい生き方だと 思うんですけど 最近の独裁者さんたちに 読んで頂きたいわぁ 2022/11/07
高木正雄
1
チャウチェスク、スターリン、フセインの食卓についての本。スターリンが自分の農場を経営して作った作物を食べていたと興味深かった2023/07/11
助作
1
下巻の三人はいずれもよく知られた人物。独裁者だけにいずれも濃い目の味付け。独裁者=酒池肉林というもっと単純明快なものだとおもってたが実際はもっと陰湿で性格が悪い。他者への信頼に基づく心の平穏がなければ豊かな食卓は生まれずそれが積もり積もって陰惨な運命をたどることにもなるのだと実感する。2023/05/13
茶坊主
1
上下巻合わせて、取り上げられたのは毛沢東、ボサカ、ヒトラー、チャウシェスク、スターリン、フセイン。 ボサカについてはこの本で初めて知った。 成りあがった独裁者が国民の困窮をよそに贅沢三昧、しかし 本当の好物は故郷の味、というのもなんだか哀れを誘う。 そして、独裁者の食卓に招かれた部下たちもまた気の毒としか言いようがない。 印象的だったのはヒトラーの食卓 健康嗜好の菜食主義、酒も飲まずひたすら演説 他の独裁者たちとは一線を画す 変人っぷり 狂気の沙汰はやっぱり偏った食事からだったのか??2023/05/09