出版社内容情報
先史時代から中世まで、科学的な価値を見出す以前から人間の心を捉えてきた化石。化石が石器をファッション化し、多くの神話・伝説を生み、装身具、護符、薬として、重要な役割を担ってきたことを古生物学者が解き明かす。
内容説明
本書では化石の「科学的価値」は語らない。科学がなかった時代に、人類が「神からの授かりものである石」に対して、いかに時を超えて執着し、不可欠な存在と考えてきたか。そして、太古の祖先の化石観や、東西の神話や儀式における化石の重要な役割を、古生物学者が豊富な図版とともに解説する。
目次
1章 時を超える執着
2章 神話の時代
3章 伝説の成り立ち
4章 化石のファッション化
5章 心を愉しませる化石
6章 魂を救済する化石
7章 身を護るための化石
8章 薬としての化石
9章 化石のダークサイド
10章 時の戯れ
著者等紹介
マクナマラ,ケン[マクナマラ,ケン] [McNamara,Ken]
イギリスの古生物学者。スコットランドのアバディーン大学で地学、ケンブリッジ大学で古生物学の学位を取得。専門は三葉虫やウニ類の化石の研究。ケンブリッジ大ダウニング・カレッジの副学長、セジウィック地球科学博物館館長などを歴任し、現在は同カレッジ名誉フェローおよび西オーストラリア大学の非常勤教授、そして西オーストラリア州立博物館研究員
黒木章人[クロキフミヒト]
翻訳家。立命館大学産業社会学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鯖
20
人のみならず、ネアンデルタール人やそれより古くここ100万年のうちにヨーロッパに住み、絶滅したホモ属の方々が愛した化石について記した本。みんなウニ好きなのはお花っぽいからかなあ。お墓に供えたくなるのは花だと枯れちゃうけれど、化石は枯れないから、少しでも長く悼んであげたかったんだろうなあ。巻貝にえんじ色のヘマタイトを塗って、穴をあけて(糸を通した摩耗痕あり)ネックレスにしてたネアンデルタール人器用。2023/12/23
スプリント
7
ネアンデルタール人が身に着け収集していた化石をもとに その文化を解き明かした本です。 2021/12/31
Go Extreme
3
時を超える執着:発見 古のコレクターたち 運命を変える存在 神話の時代:龍の骨 雷石の伝説 伝説の成り立ち:ヘビ石の伝説 ねじの回転 化石のファッション化:時代を先取る好奇心 糸を紡ぐ 化石を身につける 心を愉しませる化石:新石器時代のダ・ヴィンチ 芸術を喚起する化石 魂を救済する化石:意志に刻まれた文字 身を護るための化石:狩りの魔法 魔除けとしての化石 薬としての化石:ガマ石の不思議な力 化石のダークサイド:呪術の石 妖精と化石の呼び名 噂をすれば影 時の戯れ:イデアの神殿 科学の光2021/03/04
志村真幸
3
本書は、化石の文化的利用についての歴史をまとめたもの。ネアンデルタール人がウニの化石を死者への副葬品としていたこと、魔除けとして使われた例、薬用、装飾品、呪術とさまざまな例が出ている。 地域的にも、ヨーロッパ中心ではあるものの、中東やオーストラリア、中国の事例も。 化石という不思議な石に、古くからひとびとが惹きつけられ、特別な力や意味を見出してきたことが分かる。それにしても、ネアンデルタール人はじめ、古代の墳丘などから発掘される化石の多さには驚かされた。 2021/02/23
Go Extreme
2
化石: アンモナイト ウニ 雷石 ベレムナイト 石器 加工 収集 保存 鉱物 文化・宗教・信仰: 神話 伝説 民間伝承 宗教 霊的 魔除け 供物 祭祀 聖地 社会・歴史的背景: 新石器時代 中世 埋葬 博物館 巨石神殿 考古学 青銅器時代 儀式 人物・神々: トール神 ハトホル神 ケネス・オークリー ナトゥーフ文化 古代人 美的・装飾的要素: 美的感性 装飾品 工芸品 彫刻 デザイン 造形 医療・薬用効果: 伝統医療 解毒 治療 漢方医学 粉末 薬効 疾患2025/02/18




