出版社内容情報
厳しい環境にも耐えて生育する松。日本で長寿の象徴とされるように、松は世界中で、忍耐、知恵、多産等の意味をもつ特別な木だった。木材、想像力の源、食料、薬剤、接着剤……松と人間の豊かな歴史。図版約100、オールカラー。
内容説明
忍耐、長寿、知恵…風と火をあやつる木の物語。厳しい環境にも耐えて生育する松。日本で長寿の象徴とされるように、松は世界中で、認耐、知恵、多産等の意味をもつ特別な木だった。木材、食料、薬、接着剤、想像力の源泉…松と人間の豊かな歴史。カラー図版約100点。
目次
序章 風と火と光
第1章 松の木の博物学
第2章 松の木の神話と現実
第3章 ピッチ、テレビン油、ロジン
第4章 木材と松明
第5章 食材としての松
第6章 神話の松、芸術の松
第7章 松の枝を鳴らす風の音
著者等紹介
メイソン,ローラ[メイソン,ローラ] [Mason,Laura]
食物史家、フードライター。植物にも造詣が深い。ヨークシャー地方の農場で育ち、イギリスの食文化に深い関心を寄せる
田口未和[タグチミワ]
上智大学外国語学部卒。新聞社勤務を経て翻訳業に就く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yoneyama
7
松やにから作るピッチ、テレビン油、ロジンの項に興味を持った。ターペンタイン。薬に、防虫剤に、防水材に、薬にという用途。大航海時代の船のケアに使うと。極東で食べられるレベルに大きい松の実はハイマツとチョウセンゴヨウとのこと。挑戦してみたい。ハイマツの種なんて、観察したこともなかった。松かさを集め、熱を加えかさを開いて取り出すとのこと。アメリカ先住民が食べていたのに白人はそれを知ろうとせず腹をすかせていた。南半球に外来移植して大いに木材生産したモントレーマツ。こんな歴史を知った。2021/04/29
茅野
1
同シリーズ2冊目。「柳」よりも植物学的な説明に紙面が割かれている。2023/08/01
木倉兵馬
1
松、と一言でいってもその種類や形態は幅広く興味深いことが読み取れる一冊。植物学的な視点からだけでなく、各地の文化や人間との関わりも学べます。松は非常に利用価値が高い木材ともいえ、照明、火付け、タールやピッチの原料、板材、船材などなど広範囲に渡って用いられてきました。松ぼっくりから得られる松の実も食料として活用できるため、人間にとってフレンドリーな木です。一方、可燃性が高く山火事で大いに燃える危険な木でもあると覚えておくこともでしょう。2021/11/07
Go Extreme
1
風と火と光:ポ―ル・セザンヌ 松の木の博物学:五葉松 バツラマツ イタリアンカサマツ ヨーロッパアカマツ サビンマツ イネス・ジョージアの松 シロマツ ノブコーンバイン ブルックス・モントレーの松 松の木の神話と現実:ラール・クレンペンシュタインの城館 馬鱗・静聴松風図軸 安藤広重・吉原 ピッチ、テレビン油、ロジン 木材と松明 食材としての松 神話の松、芸術の松 松の枝を鳴らす風の音2021/04/20
雉彦
0
松といえば、近くの公園や駐車場、母校にもたくさん植わっていたが、そういえばこのように世界中の松に関する文化を調べたことはなかった。読んでよかったと思う。 最近、金継ぎについて調べていて、漆の溶剤にテレビン油を、漆で作るパテに松の木くずを使うというのを知っていたが、テレビン油が松由来のものだとは知らなかったので、ひとつ勉強になった。パイン材で本棚とか作りたい。2023/04/24