出版社内容情報
世界にはどんな軍備がどのように配備されているのか。そしてどのような影響をもつのか。国際情勢を、「軍事」の立場から、日本との関係を軸に、地図や図表などで示しながら紹介。地政学的な見地からリアルな軍事情勢を俯瞰する。
内容説明
中国軍は東アジアで何を狙い、何を重視しているのか、米軍は軍事優勢を保てるのか、自衛隊の立ち位置は?知っておくべき国際軍事情勢の現在。
目次
第1章 国際軍事情勢の全体構造
第2章 米国、中国とロシアの安全保障環境
第3章 軍隊の基礎知識
第4章 米中ロ三大軍事大国の戦力比較
第5章 米中ロが抱える軍事的課題と新たなチャレンジ
第6章 軍事的対峙の現場その1―東アジア
第7章 軍事的対峙の現場その2―東欧
第8章 軍事的対峙の現場その3―中東
第9章 パックス・アメリカーナの軍事的側面―米軍のプレゼンスの意味
著者等紹介
岩池正幸[イワイケマサユキ]
上智大学法学部卒業。平成3年防衛庁入庁。在中国日本大使館一等書記官、防衛省情報本部分析部長、内閣官房内閣情報調査室内閣情報分析官を歴任。令和元年、米国防大学国家戦略研究所客員研究員(防衛省職員兼職)。現職、内閣府参事官(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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榊原 香織
70
2021年4月 ロシア侵攻前。 ロシアの軍備が意外に小さい。 北極中心の地図で見るとアメリカはロシアとも中国とも遠く、地政学的に有利。 片や、日本は最前線に位置するという恐ろしさ。 台湾有事の、大陸、台湾両者のシナリオが。 数字よりグラフにしてくれると見やすいんだけど 2022/12/10
hdo obata
9
ロシア・ウクライナ戦争直前の世界の軍事情勢を俯瞰した本である。小生なりにまとめてみると、中国の台頭に刮目せよと言う事である。世界の覇権を目指し、静かに、着実に軍備に予算を注ぎ、いつの間にか世界2位の軍備を持ち、アメリカの覇権を脅かすまでに至っている。しかし、経済は破綻し、人民解放軍は古代よりの賄賂文化、利己主義を克服できているのか甚だ疑問である。日本としては油断することなく日米安保、QUADを維持し中国と対峙していかなくてはならない。これが日本の宿命である。2024/12/03
くらーく
6
P.229第3節 ロシアが緩衝地帯としたいウクライナ東部 を読むために借りた。本書での結論は、ウクライナは兵力規模が大きく、ロシアが全面的に軍事制圧することは困難である、だそうだ。ロシアにしてもNATOにしても、ウクライナを緩衝地帯としたいがために、ロシアは侵攻を止めないのだろうねえ。。。まあ、停戦になっても、ウクライナやポーランド、バルト三国、フィンランド等のロシアと接する国はどこも大変ですな。 東アジアについても、興味深くて、朝鮮半島はこのままだそうだ。2022/03/19
乱読家 護る会支持!
4
軍事的にも経済的にも膨張し続ける中国と、核兵器開発/ミサイル開発を続ける北朝鮮の隣接2国の存在により、東アジアの軍事的緊張は高まるばかり。中国と北朝鮮は、イージスレーダーとスタンダードミサイルによる迎撃システムでは撃ち落とせない次世代の極超音速ミサイルの実用化を急いでおり、そして西側諸国はミサイル開発で遅れをとっている。サイバー空間での情報戦でも中国、北朝鮮の方が優位にあります。 台湾有事、尖閣有事(よーするに、中国軍が台湾と日本の尖閣諸島を侵略する事)は、いつ起きてもおかしくない状況にあります。2021/11/17
ゆるひと
4
世界中(地球上)のどこに、どんな部隊が、或いはどんな射程の兵器が配置されてるか、具体的かつ広範に解説した書籍です。特定の陣営に立って「〜すべき」とか「〜が危惧される」という語り口はありません。主に米中露の戦略がテーマなので、ミサイル戦略については詳しく語られてます。そして核戦略を補う位置付けの通常戦力による配置の解説も勉強になりました。圧倒的規模で世界中に展開する米軍だけど、実は能力ギリギリの範囲で機能してるとは。迫り来る東アジア戦争が本当に起こるのか気になります。2021/05/25