レアメタルの地政学―資源ナショナリズムのゆくえ

電子版価格
¥2,200
  • 電書あり

レアメタルの地政学―資源ナショナリズムのゆくえ

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 46判/ページ数 250p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784562057375
  • NDC分類 565.8
  • Cコード C0098

出版社内容情報

レアメタルの需要がこのまま増加すると2040年には破綻する……。いまや産業・生活になくてはならないレアメタルをめぐる状況と問題を政治や外交、地政学などさまざまな観点から掘り起こしたベストセラー。2018年フランス経済省「経済書籍賞」受賞。

内容説明

レアメタルをめぐる各国の思惑からグリーンエネルギー政策の暗部、中国次第で揺れる市場…。「レアメタル地政学」の権威によるさまざまな問題点をあぶり出したベストセラー!フランス経済省経済書籍賞受賞。

目次

第1章 レアメタルの呪詛
第2章 グリーンテクノロジーとデジタルテクノロジーの隠された面
第3章 汚染を他国へ移す
第4章 禁輸下の欧米諸国
第5章 ハイテクノロジーの獲得
第6章 中国が欧米を追い抜くとき
第7章 精密誘導ミサイル競争
第8章 鉱業分野の拡大
第9章 最後の聖域の終焉

著者等紹介

ピトロン,ギヨーム[ピトロン,ギヨーム] [Pitron,Guillaume]
1980年生まれ。資源地政学を専門とするジャーナリスト(ル・モンド・ディプロマティーク誌など)、ドキュメンタリー監督。パリ大学で法学修士、ジョージタウン大学で国際法修士号を取得。レアメタルと地政学について、フランス議会などに定期的にレクチャーしている

児玉しおり[コダマシオリ]
神戸市外国語大学英米学科、神戸大学文学部哲学科卒業。1989年渡仏、パリ第3大学現代仏文学修士課程修了。パリ近郊在住の翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

鮫島英一

30
良薬は口に苦しというが、知りたくない現実を突き付けられることほど怖いものはない。尖閣諸島中国漁船衝突事件以降、日本はレアメタル問題と国益をリンクさせるようになった。このことは本作でも触れられており、安易な商業優先姿勢を我が国は採らなくなったのは事実のようだ。だが、レアメタルが現在進行するクリーンエネルギー政策とリンクする以上、どこまでこの流れに抵抗できるのか? 米国は産油国サウジと手を組むことで20世紀の覇権を握った。ならば……いや、よそう。これ以上考えると眠れなくなる。2022/10/21

kubottar

25
中国がどんどん力をつけていったのはレアメタルのお陰だった。採掘に多大な汚染を要するレアメタルだが、汚れ仕事を引き受けて西洋諸国に卸し続けていたら、発言力がバカ上がりして逆に、中国が商売相手を選べる状況になったのが今。資源がある国は強いってのがわかる。そこで日本はどうしたらいいのかだが、中国だけではなくていろいろな国から買い付ける以外に、資源が乏しい日本のとる手がないことが辛い。2021/08/17

芙由

9
これからの社会は脱炭素とDX、この両輪を動かすのに欠かせないレアメタルをめぐる資源獲得競争がすでに始まっている。中国が急成長を遂げたひとつの要因は、レアメタルの需給を握る外交戦略にあった。人権や環境といったグローバル問題に人一倍うるさい先進諸国が、自分たちの目につかないアジアの奥地でそれらの価値を犠牲にして産出されたレアメタルに甘えた末、首を絞められ脅されながらも、環境に優しくない“グリーン”テクノロジーを推し進めようとしている、なんとも皮肉な話。脱炭素社会の先頭に立つのは欧州型民主主義とは対極の国かも。2021/08/16

Sumiyuki

8
良書。デジタル機器やグリーンエネルギー機器にはレアメタルが使用され、大半は中国から輸出される。中国は安い労働力に加え、環境規制を蔑ろにして培った競争力のため、ライバルを淘汰し市場をほぼ独占している。加工技術を模倣もしくは入手することで、中国を必要不可欠な存在に足らしめた。またレアメタルの需要は高まり続けており、持続可能性はない。2020/06/16

でんがん

7
日本も含め世界が急速にクリーンエネルギーの利活用に進んでいるが、その代償に中国の内陸部や発展途上国では、クリーンエネルギーには必須であるレアメタルの採掘に凄まじい環境汚染が行われているとのこと。先進国はクリーンエネルギーをどんどん新設して「自分たちは環境に配慮している!」と喧伝するが、汚い部分には目をそむけ途上国の環境が破壊されるのを黙認している。レアメタルの負の側面を知ることができてとても面白かった。2021/01/16

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/15220839
  • ご注意事項