出版社内容情報
最古の芸能「太神楽」の世界を、その歴史と盛衰、自身の交遊録から寄席での楽しみ方まで縦横に紹介。また声優の田中真弓さん、太神楽界最長老の鏡味健二郎さんとの特別対談や、技芸の写真も多数収録した誰でも楽しめる一冊!
内容説明
神事にして最古の芸能ともいわれる太神楽。その歴史から華麗な技芸、寄席での交遊録に至るまで、名人仙三郎が自身の半生とともに語る。技芸のショット、貴重な写真も多数収録した誰でも楽しめる一冊!
目次
第1章 太神楽「紙上高座」
第2章 太神楽の歴史
第3章 仙三郎一代記―修業時代
第4章 仙三郎一代記―社中結成以降
第5章 太神楽とジャグリング―特別対談 田中真弓×鏡味仙三郎
第6章 思い出に残る寄席の名人たち
第7章 太神楽の代表的な技芸
第8章 対談 江戸太神楽今昔―鏡味健二郎×鏡味仙三郎
著者等紹介
鏡味仙三郎[カガミセンザブロウ]
1946年岩手県生まれ。1955年、十二代目家元鏡味小仙に入門し、1973年、鏡味仙之助とコンビ結成。2001年、仙之助死去後は2002年に鏡味仙三郎社中を結成し、寄席の高座に立ち続けている。現在、太神楽曲芸協会会長、社団法人落語協会理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
姉勤
28
寄席ではおなじみの太神楽。落語協会の催しでは、膝代わり(ヒザ:トリの前に上がる色物)で紙切りと並び、よく見かける鏡味仙三郎一座。座長である著者の来し方と、太神楽の来歴、曲と呼ばれる技の解説など、落語にしか興味がない人向けではない本書。逆に、番組の色物さん目当てに寄席に行くこともある自分には非常に興味深い。五代目小さん師とのエピソードなど落語との関わりや、寄席の主役にはならなくても、彩りとしての際立った藝を披露できる将来目線は、業界の重鎮にしてなお、衰えぬ現役感が溢れてくる。2020/03/02
gtn
17
落語とは異なり、太神楽は努力がそのまま評価に繋がると信じてきたと著者。戦後しばらくまでは一般的な認識だったのだろう。昭和二十二年、落語では食えないからと先代林家正藏が息子を太神楽に入門させたのも、その時代の空気。現在の落語の隆盛と太神楽の衰退は、名人であっても予見できなかった。2020/02/02
もち
2
元気のいい本だと思った。太神楽の名前も知らず、傘の上に物を回すのをみて「ああ」となったくらいだったが、この本を読んで昭和から現在にかけての太神楽の界隈のことを大雑把にでも把握できたように思う。おもしろかった。落語を今度見に行くときは気にかけたい。2022/03/31
kaz
0
太神楽の体系的な解説と言うより、著者の自伝を通じて太神楽の芸や稽古の様子を伝えるもの。五階茶碗よりも一つ毬の方が難しいと言うか、一つ毬が非常に難度の高い演目とは知らなかった。他の太神楽師の紹介も面白い。ボンボンブラザーズも、あの歳であの芸ができるのは凄い。翁家和助が国立劇場の研修生からスタートしたというのは、全くの意外。 2020/05/05
はかせ
0
いつのまにか太神楽は寄席の看板のひとつとなりつつある。地方でもよく見られるようになったが地道な努力があったのですね。2020/02/24