出版社内容情報
断片的な詩や散文からなる複雑な北欧神話を現代ファンタジーの巨匠が再話。後の創作物に多大な影響を与えた神々の物語がよみがえる。霧と炎が支配する世界に巨人と神々が生まれた。彼らは定められた滅びへと突き進んでゆく――断片的な詩や散文からなる複雑な北欧神話を現代ファンタジーの巨匠が再話。後の創作物に多大な影響を与えた神々の物語がよみがえる。
ニール・ゲイマン[ニールゲイマン]
著・文・その他
金原 瑞人[カネハラミズヒト]
翻訳
野沢 佳織[ノザワカオリ]
翻訳
内容説明
世界を見通す目を持つオーディンは未来に備えた。雷神のトールは強力な槌ミョルニルで巨人たちをうち倒していった。それでも神々は、定められた滅びへと突き進む―断片的な詩や散文からなる複雑な北欧神話を現代ファンタジーの巨匠ニール・ゲイマンが再話。後世の創作物に多大な影響を与えた神話が、物語となってよみがえる。
著者等紹介
ゲイマン,ニール[ゲイマン,ニール] [Gaiman,Neil]
1960年イギリス生まれ。小説、ドラマ・映画脚本、グラフィックノベル原作の執筆と多岐にわたる活躍をしている。その作品は高く評価され、ヒューゴー賞を4度、ネビュラ賞を2度、ブラム・ストーカー賞を4度、ローカス賞を6度受賞している。また、2018年にはニューアカデミー文学賞にもノミネートされた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nuit@積読消化中
70
ニール・ゲイマンには北欧神話以外の神話も是非書いてほしい。現代の言葉で語り直されているのでとても読みやすく引きこまれた。しかし、神々というのは本当にわがままなんだなぁ、相手を騙したり騙されたり、殺したり、でも生き返ったり(笑)。ラグナロクでの終焉と言っておきながら、語り継がれて神は生き続けるのだろう。ドラマ版「アメリカン・ゴッズ」は観ているけど、これは原作も読むべきですね。因みに本書と同じ原書房さんの「北欧とゲルマンの神話事典 伝承・民話・魔術」も併読しましたが、こちらもお勧めです。2021/11/26
榊原 香織
65
上下巻の下 北欧神話の神々は善悪を超えて無邪気な。結果はとんでもない災厄になったりするけど。トールとロキ+誰か、で旅するパターン多し。 作者は映画”マイティ・ソー”観てこの神話にハマったそうです。 2024/05/12
ヘラジカ
50
ゲイマンの言う通り、北欧神話が魅力的なのは現在進行形で決して完結していないからなのだろう。それまではどこか間抜けで明るかった物語が、ラグナロクの火種がくすぶりだすと途端にシリアスになるのが印象的。神々の最終決戦は大迫力で終わり方も幻想的でとても美しい。新たなゲームが始まるだなんてゾクゾクする。ここからあの『アメリカン・ゴッズ』が生まれたんだなあ。短編集のように普通の小説として読んで面白い本だった。どうやらゲイマン作品は立て続けに文庫化されるようなので楽しみだ。大好きな『ネバーウェア』も期待したい。2019/01/22
星落秋風五丈原
43
太陽のように誰からも好かれていたオーディンの息子バルドルは、毎夜見る悪夢だけが悩みらしい悩みだった。夢の中身を打ち明けても誰も意味がわからない。ただ一人夢を解き明かしたのはロキだったが、例え義兄弟でもロキには聞けないオーディンは、あらゆる夢の意味を知るという女性の墓に行き、彼女を呼び出す。いつもは笑って許してくれる神々も、この度の悪戯には心を痛め、ロキにも苦難がふりかかる。しかしその苦しみも永遠ではない。この世界では、ラグナロクという世の終わりがやってきて、神と言えども死ぬのだ。2019/02/19
がみ
27
上巻を読んでいる時には正直小中学生向けの児童文学の域を越えないものとしてしか捉えられていなかったが、下巻を読み終わった今となってはその見通しが甘かったことを認めざるを得ない。話の端々に現れる情景描写にはどこか北欧の雰囲気が漂う。暖かな日差しをもたらす太陽を愛し、神々の終焉・ラグナロクを終わりのない恐ろしい冬、「大いなる冬」と説く。 また、ロキというダークヒーローの活躍がこの神話の根幹を担っている。ヒーローの活躍譚に様々な敵が出てくることはあれど、悪役に対して様々な英雄が出てくる本書のような物語は数少ない。2021/08/19
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