出版社内容情報
5世紀、ブリタニアは闇のふちに立たされていた。いがみあう諸王国、近づく大王ユーサーの死期、跡継ぎの幼子……。王座を守り、敵に対抗するため、聖なる剣を手に真の戦士・アーサーがついにたちあがった。
内容説明
闇にふちどられた時代。宗教と魔法が人々の魂をめぐって競いあい、戦争と権謀術数があふれる時代。蛮族のはびこる荒廃した世界にあって、忠誠と友情で結ばれた少数の戦士たちを率い、平和と文明の光を守ろうと戦った将軍、アーサー。迫り来る蛮族の大軍に対し、アーサーとその勇敢な戦士たちは、傷つきながらも決戦を挑む。愛するものたちを守るために…。運命切り開く聖剣。強大な敵に敢然と立ち向かうヒーローと多彩な登場人物たちが彩る波乱万丈の物語
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
itokake
4
アーサー王の魅力を、その強さだけでなく、弱さも含めて描く筆力に圧倒。上巻ではオウェインとの戦闘シーンのかっこよさに魅了され、この下巻ではアーサー王の苦悩する弱さに魅了された。ブリタニアに平和をもたらすというあまりに大きすぎる使命を誠実に受け入れる器の大きさと、人間としての等身大の苦しみに、私もなんとか力になりたいと思ってしまう。著者の後書きで、西暦5-6世紀の資料が乏しいとあった。でもあまりに生き生きとした物語を読んだあとなので、まるで自分こそが歴史の生き証人になったような気がした。名作。2020/10/30