出版社内容情報
英雄アーサーが伝説から蘇る! 強大な敵に完全と立ち向かうヒーローと多彩な登場人物たちが彩る波乱万丈の物語。英国冒険小説界の巨匠バーナード・コーンウェルがおくるアーサー王三部作の第一作。
内容説明
五世紀、ブリタニアは闇のふちに立たされていた。ローマ文明の記憶は薄れ、浸透するキリスト教のまえに異教の神々はすたれつつあった。ところが大王にも死期が近づいていた。その跡継ぎは強力な指導者どころか、凍てつく冬の夜に生まれた幼子なのだった…。ユーサーの王座を守り、諸王国をたばねて敵と対抗できるのはただひとり、アーサー王しかいない。聖なる剣を手に、真の戦士アーサーはついに起つ。平和と勝利を奪還するために。不撓不屈、血沸き肉踊る男の世界。英国冒険小説界の巨匠バーナード・コーンウェルがおくるアーサー王三部作の第一作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
124
先頭からかなりのページ、アーサーが登場しない。語り部は元アーサーの部下が老いて改装したという体裁た。それにしても人間的な描写。魔法などは登場しない。公平な裁きを重んじ、人間離れした公正な人かと思ったが、人間的な欠点や野心、俗な欲もある。自らの欲に負けブリタニアを滅ぼしかけもするのだった。面白い。続きが気になって仕方がない。2024/02/02
りー
26
語り手は、老いたアーサーの兵士。今は修道士となった彼が昔日を語る。アーサーもマーリンも出てこないまま、物語は進んでいく。魔法的な要素が全く無い、人間たちのアーサー王物語。登場人物は放尿し、唾を吐き、生け贄を捧げるため血の祭祀を行う…重要な時は人間で。死んだ敵から宝飾を戦利品としてもぎ取るのは普通、皆殺しも当たり前、女は強姦された後に奴隷にされる。裏切りと憎しみに満ちた世界に、突如として光のようにアーサーが現れた…と思ったら、3国同盟のための結婚を蹴ってグィネヴィアと結婚しちゃったので大混乱!えーっ?!2023/12/10
サアベドラ
20
アーサー王伝説をベースにした歴史小説。著者はイギリスの歴史小説家。原書は1995年刊。1997年に日本語訳が出て、長らく絶版になっていたが2019年になんと新装版として再版された(訳者あとがきに追記がある程度で中身はほぼ同じ。ダサい表紙が一転して地味に)。アーサー王伝説をネタにした小説は沢山あるが、本作はその中でおそらくもっともハードボイルド寄り。きらびやかなロマンスを期待して読むとびっくりするかもしれないが、中世初期を舞台にしたダークでバイオレントな歴史小説を読みたい人には間違いなくオススメ。2019/06/14