出版社内容情報
不純物を除去、配管・運搬し、酒や炭酸水として飲み、高級商品にもする……古代から最新事情まで、水の意外な歴史を描く。安全な飲み水の歴史は実は短い。いや、飲めない地域は今も多い。
不純物を除去、配管・運搬し、酒や炭酸水として飲み、高級商品にもする…古代から最新事情まで、水の意外な歴史を描く。
世界のフレーバーウォーターのレシピ付。
イアン・ミラー[イアンミラー]
甲斐 理恵子[カイリエコ]
内容説明
安全な飲み水の歴史は実は短い。いや、飲めない地域は今も多い。不純物を除去、配管・運搬し、酒や炭酸水として飲み、高級商品にもする…古代から最新事情まで、水の驚きの歴史を描く。世界のフレーバーウォーターのレシピ付。
目次
第1章 水とは何か?
第2章 水の流行り廃り
第3章 水の中には何がある?
第4章 水と健康
第5章 安全な水
第6章 アルコールか水か
第7章 飲料水ビジネス
第8章 水にひと工夫
第9章 世界の水事情
著者等紹介
ミラー,イアン[ミラー,イアン] [Miller,Ian]
アルスター大学医療歴史センター、ウェルカム・トラスト主任研究官
甲斐理恵子[カイリエコ]
翻訳者。北海道大学卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Kouro-hou
33
飲料水としての水の歴史。大切なモノとヤバいモノは目に見えないので、人類は水は必須なんですけど古い時代は酒の方が安全だったと。ただ17世紀に顕微鏡が発明されて水中の微生物の皆さんも発見され、そこから水質改善運動が始まってキレイな水が当たり前の時代が来たわけで。すると有難みを忘れて「人は古くから水で生きてきた」と酒を攻撃する材料にする辺りがやはりニンゲン。18世紀頃から技術革新でガラス瓶が安くなりボトル水が販売開始。無味無臭の水を売ろうと知恵を絞ったメンツが現在のエビアンやペリエ等の有名メーカーだそうな。2019/11/23
秋良
14
以前に読んだビールの歴史などで、安全な水が手に入らずアルコールを水替わりに飲んでいた話は読んでいた。が、逆だった。水普及運動や禁酒運動によって、水をアルコール替わりに飲むようになった、と言った方がより的確だった。今から思うと凄い時代だ……。水道の蛇口を捻れば出てくる水は、先人たちの知恵と情熱の賜物。そして今も安全な水が手に入らない人は途上国に数多く、また旱魃などで先進国でも水への不安が生まれつつある。水を大切に!2022/01/22
kenitirokikuti
12
いまの我々は水道水やボトルドウォーターに慣れ切っているが、「水」が安全となったのは19世紀である。もろもろの酒類の方が疫病や有毒物に対してはるかに安全であった。よく考えてみれば、聖書には酒を飲むシーンが多く書かれている。フランクリンやロックも生水よりも酒の方がよいと記しているそうである。禁酒運動について、生水が危なかった時代という反対要素があったことは見えてなかったなァ。2018/03/18
しろのあ
6
安全な水が飲めるようになったのがせいぜいここ百年くらいの出来事で、むしろ昔は微生物だらけの危険なものと認識されていたと知り驚きました!子どもに酒を飲ませた方が安全とかすごすぎ…古くはローマの水道にさかのぼり、現在のミネラルウォータービジネスまで、まさに「水」の歴史です!当たり前のものほど、案外知らなくてすごく勉強になります。2017/10/27
夏野菜
6
現代では当たり前のようにきれいな水に接することができるが、ほんの数百年前のヨーロッパでは、病原菌を含む水道水よりもアルコールが好んで飲まれ、水が忌み嫌われていたとのことに驚いた。また、古代ローマの水管理システムが高度に発展し、街に水を行き渡らせていたという事実にも驚いた。あ、映画のテルマエロマエの世界はこのことか!?身近なものにもまだまだ知らない歴史があるものだなと痛感。食の歴史を扱った原書房の本シリーズをさらに読んでみたい。2016/07/25