出版社内容情報
これまで明かされなかった「闇の世界」をあばき、戦争の真の動機を解き明かしたドキュメント問題大作。ワシントン・ポスト紙も絶賛!
武器取引の詳細は、国家機密の名の下に国民の目に触れることはなく、軍産複合の大グループと武器商人たちが莫大な利益を手に暗躍している。
これまで明かされなかった「闇の世界」をあばき、戦争の真の動機を解き明かしたドキュメント問題大作。
内容説明
「もっとも危険なベストセラー」日本上陸!戦場を駆ける伝説の武器商人から「特別な」物流システム、そして政財界を動かす武器マネーの流れまで。
目次
第1部 二番目に古い職業(手数料の罪;ナチ・コネクション)
第2部 手に入ればすばらしい仕事(サウジ・コネクション;人道を守るため;究極の取引、それとも究極の犯罪?;ダイヤモンドと武器;バンダルに取り組む;そして、誰も裁かれない?)
第3部 平常どおり営業(なにもかもばらばらに―“BAE”の力で;壁以降―“BAE”式資本主義;究極のいいのがれ)
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スー
15
102自分の知らない世界の情勢と裏で暗躍する黒い商人達の活動を書いていますが結構読み難くて大苦戦しました。第二次世界大戦をお越し敗北し戦犯となったナチスの残党が黒い商人となり反ユダヤという関係で中東と強く結びつき更にCIAと協力したりして南米にも関わっていたなんて驚きました。あとサウジアラビアが何故米国と関係があるのか?彼等が優れた武器欲しさにイギリスやフランスを天秤にかけたりしてるし売る側もかなり儲ける為にかなりの事を行っているのを知りました。2022/11/15
BLACK無糖好き
9
著者は南アフリカ生まれの元ANC(アフリカ民族会議)議員。武器取引の影の世界は、政府と商業と犯罪行為の錯綜するネットワークであり、安全保障の秘密主義に守られ誰に対しても説明責任を負うことはないという。本書ではイギリスの巨大防衛企業<BAE>とサウジアラビアの汚職まみれの武器取引から、一匹狼の武器ディラーが暗躍する実態まで様々な事例を取り上げている。大がかりな腐敗行為や贈収賄も、人道に対する犯罪の共謀も、政治的圧力に司法が打ち負かされる。国家指導者が盛んに口にする普遍的価値としての「法の支配」も虚しく響く。2016/02/24
マッピー
8
大変骨が折れました。まず私が知らない世界の出来事であること。そして、人名(特にサウジアラビアの人々)が、人間関係の複雑さと相まって混乱してしまうこと。さらに、訳があまりこなれていないこと。今のこの文は、誰視点で書かれているのか?と何度も読み返した。けれど、それでも読んでよかったと思う。アメリカ、イギリス、フランス、中国、ロシアのどの国もが武器を輸出して国を潤しているのなら、国連が存在する意味ってあるのかなと、改めて思う。一番問題なのは、この非人道的な商業活動のツケを払うのは、社会的弱者の方ってことだ。2017/11/23
人生ゴルディアス
3
圧倒的情報量。世界史をきちんと学んでいないので、ぐぐりながら読む。権力を金に換えるってのはこういうことなんだな。しかし著者はなんでこんなに詳しいんだと思ったら元々南アフリカの中の人だったのね。あと、ここでもアマゾンレビューでも書かれてたので覚悟して読んだけど、翻訳そんなに悪くなかったような。関係代名詞的な入れ子構造が多くて読みにくいのは確かだけど。最近だと『サイコパスインサイド』のほうがよほどひどかった。2015/08/08
K
2
厳密に時系列になっているわけでも、地域別になってるわけでもないので、正直読みやすくはないのだけど、危険であろう取材を積み重ねて武器取引の表も裏も教えてくれる本。世界各国、あちこちに取引のネットワークが広がっているのがよく分かる。中東問題の諸悪の根源と言っていいだろうが今や責任逃れに必死なイギリスはこの分野でもかなり汚くて(笑)、政府ぐるみでBAEシステムズを使って各国政府からカネを巻き上げているとな。まあキレイな外交なんてありえないんだろうけど…開発援助とか、イメージ維持の隠れ蓑に使われてんだなと感じた。2016/02/13