出版社内容情報
第6回島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作。
戦後間もない軍港の町で起こった不可解な連続婦女殺人事件。
被害者たちを結ぶ糸、そして心揺さぶる「動機」。
新人離れした筆致に島田荘司氏絶賛!
内容説明
敗戦から6年、瀬戸内のある軍港都市で起こった女性連続殺人事件。被害者には能面が被せられていた―審査員刮目の「動機」が物語を一変させる傑作!島田荘司選第6回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作。
著者等紹介
川辺純可[カワベスミカ]
広島県呉市生まれ。日本女子大学文学部卒。2013年、『焼け跡のユディトへ』が島田荘司選第6回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作に選ばれた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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らむり
45
ミステリー文学賞受賞作。戦後間もない広島で起こる女性連続殺人事件と、主人公姉探しミステリーです。ちょーっと読みづらかったです。2014/12/28
マムみかん(*ほぼ一言感想*)
24
時代背景が太平洋戦争の敗戦から6年ということで、なんとな~く「京極堂」「金田一先生」を思い浮かべて読み始めました。 『新古今和歌集』の歌をモチーフとした連続殺人事件、死体の奇妙な装飾、ロシアの民族衣装ルバシカを着た怪しい男、さらに主人公の異父姉はどちらの「シオン」なのか…。 思っていたほどオドロオドロしくはなかったですが、あの時代の雰囲気が感じられました。 特に、戦争の傷痕に胸が痛みます。 デビュー作らしく熱意に溢れ、最後まで楽しめました☆2015/05/27
hydrangea
16
全体的に粛々と進んでく感じを受けますが、時代背景や設定は結構好みな文、もう少しオドロオドロしい部分があっても良かったかな、と。所々に出てくるルビの振り方が、なんとなく好きではないなぁ。次作を引き続きマークしようかと思います。2015/10/25
MATHILDA&LEON
15
敗戦後の日本を舞台にしたミステリー。全体的に色彩を感じられない分、死体の不気味さや閉塞的な街の雰囲気が漂い、また紫苑という女性の妖艶さが際立つ。そして不思議な目の色を持つディックという外国人の毒舌っぷりが面白く、彼の存在感が物語を暗いだけに留めない。物語自体は読みやすく、一気読み出来る。本当に不思議な世界観だ。2015/04/05
shiozy
12
福山ミステリー新人賞作品。なんとのう横溝正史のテイストを感じさせる作品である。横溝のおどろおどろした雰囲気はないのだが、「新古今和歌集殺人事件」ともいえる風雅さが心地よい。同時受賞の「経眼窩式」に比べ、古風な作風が一見、これが受賞作?との思いも抱かせるのだが、虚仮おどしでないぶん、落ち着いて読むことができるのだ。2014/12/29