出版社内容情報
文豪ディケンズが作品世界に描き、シャーロック・ホームズが歩き回った19世紀ロンドンの町並みを貴重な写真とともにたどる。
歴史的建造物から陸海交通網、商人から貧民街の人々を活写した詳細な写真記録があのころのロンドンを蘇らせる。
内容説明
ロンドン博物館の数百点におよぶ稀少写真によってディケンズが描きホームズの歩いた街が蘇る。
目次
ランドマーク(昔日のロンドン)
貧民街
駅馬車宿と馬車
市場と路上商売
ドックとテムズ川
産業
鉄道の建設
人びとの肖像
街と橋
郊外
ランドマーク(新しいロンドン)
著者等紹介
ワーナー,アレックス[ワーナー,アレックス] [Werner,Alex]
ロンドン博物館歴史部長。チャールズ・ディケンズ博物館理事
ウィリアムズ,トニー[ウィリアムズ,トニー] [Williams,Tony]
『ディケンジアン』編集委員。バッキンガム大学名誉研究員。ディケンズ・ジャーナルズ・オンライン・プロジェクトに携わる。1999年から2006年まで、インターナショナル・ディケンズ・フェロウシップ事務局長を務め、1969年から1997年までは、公立中学校において国語を教えていた
松尾恭子[マツオキョウコ]
1973年熊本県生まれ。フェリス女学院大学卒。英米翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コットン
69
racco201さんのおすすめ本。イギリスの主にビクトリア朝で活躍した作家ディケンズの作品などを基にロンドンでの絵や写真で当時の生活をスケッチしている。(ディケンズの作品は『デイヴィッド・コパフィールド』を途中まで読んだくらいですが、貧民層の味方ですね。)写真の大半がセピア色なのは時代を感じる。当時のロンドンでは、街頭で盛んに商売が行われていたそうです。そんな活気と人口集中がうかがい知れます。2020/08/01
アナーキー靴下
56
全編ディケンズの引用と当時の写真、とのレビューに感謝! ディケンズは2作品しか読んでおらず詳しくないが、少し前にハマっていたスペースオペラRPGで、地球から宇宙に入植した人々の多くがディケンズの作品を持ち出した、というエピソードがあり、どうしてディケンズなんだろう、と気になって仕方がない作家になってしまった。で、本書によると、ディケンズは写真のように物事を捉える観察力と豊かな想像力をあわせ持つ作家だった、とのこと。時は栄華を極めたヴィクトリア朝時代、イギリス人の心に根差すものだったりするのだろうか。2024/06/01
帽子を編みます
51
ディケンズファンにオススメです。全編ディケンズの引用と当時の写真です(原題がDickens’s Victorian London 1839-1901)。セピア色の写真、当時のロンドンの景色。猥雑でガヤガヤした情景、漂う匂いも感じます。あの作品、この作品でのあの雰囲気。駅馬車宿と馬車の章、往時は活気に満ちた場所だった宿、独特の回廊式ベランダ、写真に残るのは廃れ荒れた状態、どれほどのドラマがあったのだろう。道路いっぱいのゴチャゴチャの馬車の列、ホームズ物にも出てきたような。興味深いタイムトリップなひと時です。2024/02/24
みーこ@ただのねこ(春毛)
10
写真とディケンズの作品や手紙などの文章によって、ヴィクトリア朝のロンドンの様子を知ることができる本。写真に写っている場所や人物がモノクロにも関わらず、ものすごく生き生きして見える。トラファルガー広場とか、自分が実際に目にした場所は、当時と現代の雰囲気の違いを楽しんでみたり。2014/03/23
シャル
8
タイトルの通り、ヴィクトリア朝時代のロンドンの様々な写真とディケンズが小説内で描いたロンドンを照らしあわせて紹介していく一冊。まだ自動車のない時代ということもあり、道路や道沿いの雰囲気が今とはまったく異なっているように思える。また華やかな街角だけでなく、街の裏側というか、貧民街や使われなくなった駅馬車宿などの持つ今にも崩れそうな雰囲気の写真も印象的である。人も少なく、そこにあるのが今とはまったく違う世界であると思いながらも、その一方で、やはり人の営みは変わっていないことも感じられる一冊。2016/06/11
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