世界を変えた火薬の歴史

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  • サイズ A5判/ページ数 273,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784562049127
  • NDC分類 575.9
  • Cコード C0022

出版社内容情報

今から1000年以上前に中国で発明された火薬は、世界中に途方もない影響を与えた。
400年にわたり中国は火薬の製法を門外不出としていたが、
あるモンゴル兵士がその秘密をイスラム世界に漏らし、
火薬はオスマン帝国とムガル帝国の勃興に重要な役割を果たすことになる。
さらにはヨーロッパ人による支配拡大にも一役買うことになった。
中国の煉丹術師から、コンスタンティノープルの劇的な陥落、
長篠の合戦、ガイフォークスの陰謀事件、ダイナマイトの発明まで、
人間の歴史と火薬や爆発物との密接な関係を描く。
写真・図版110点収録。

内容説明

中国の錬丹術師からイスラム帝国の勃興、ヨーロッパの戦場まで。世界の転換点に少なからぬ影響を与えてきた火薬の歴史に迫る。

目次

一六〇五年一一月五日―火薬陰謀事件
火の薬
火薬の誕生
発火装置と爆弾
ロケットと砲
西方へ伝播した中国の発明
火薬とイスラム帝国
ヨーロッパに伝わった火薬
火薬の製造
新たな火薬兵器
火薬はいかにして近代ヨーロッパをつくったか
火薬兵器がヨーロッパへ与えた影響―ミルトンとスウィフト
アメリカ大陸とアフリカにおける火薬
東洋の新たな火薬兵器
火薬の平和的利用
黒色火薬時代の終焉

著者等紹介

ポンティング,クライヴ[ポンティング,クライヴ] [Ponting,Clive]
1946年生まれ。行政職、ウェールズ大学スウォンジー校准教授を経て、現在スウォンジー大学の名誉研究員

伊藤綺[イトウアヤ]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

シルク

20
火薬って。……いやあ、本当に火薬って、何故「薬(くすり)」なんだろうって、考えたこともなかったよ。あまりにも「ka-yaku」として、その音でわたくしの世界の中に最初から滑り込んできていたから。火薬――火の、薬。起源は遥か昔の中国だ。不老不死に憧れた人々がいた。彼らは様々なものを様々な配合で混ぜ合わせ、老いることも死ぬことも免れる大いなる薬を創り出そうとした。「霊薬」である。あれを混ぜよ、これを加えよ、さすれば今度こそ、霊薬が完成するかもしれない……そうしてやがて以下のものが混ぜ合わされる機会が生まれた。2018/05/16

電羊齋

7
火薬の発明と世界への伝播、特に欧州への火薬の伝播とその影響について詳しい。火薬や火器は戦争を根本的に変えただけでなく、その高コストと運用の難しさが豊富な財源、整備された官僚機構を要求し、小国は淘汰され、新たな国家や帝国が生み出された。多くの事例が紹介されており参考になる。引用部分の注や参考文献リストがないのが最大の欠点か。それから本文中の「火器帝国」(例としてオスマン帝国、ムガル帝国などが挙げられている)という概念の定義についてもう少し詳しく知りたいところ。2016/03/24

ぼのまり

6
火薬というとノーベルが作り出したようなダイナマイトの印象が強く、発祥は西洋と思い込んでいたのであるが、その発祥は実は中国。時の錬丹(錬金)術士が不老不死の薬を探索する中で偶然生み出されたものであるという。この本では火薬が中国で作り出され、世界へ伝播していく様を時代ととも追いかける。当時使われた大砲などの武器のイラストや写真も多く掲載されており、充実の1冊でした。2013/06/26

ケルトリ

5
火薬の始まりは『不老不死』を求めた中国の皇帝の命令からだった。錬金術のように元々の目的とは違うところから生まれたというのは知らなかった。2020/03/04

ソノダケン

3
「中国→モンゴル→イスラム→ヨーロッパ」とゆう火薬の伝播をみることで、世界史のうねりを感じられる本。中国人技術者の偉大さをきっちり紹介する公平さがいい。ジョゼフ・ニーダムがいた、イギリスの学者なら当然だろうけど。明朝がはじまる1360年代以降、中国で火薬兵器開発が停滞したのは、平和と繁栄の時代だったから。逆に戦争漬けのヨーロッパは、新兵器を運用するための官僚制度を必要とし、近代国家を確立した。そしてついにアヘン戦争でイギリスは中国を攻撃するが、火器の本家の城壁はおどろくほど堅固で、砲撃は歯が立たなかった。2014/12/07

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