出版社内容情報
世界史の構造を考察するうえで欠落し、今なお謎に包まれたケルトの全体像を通事的にたどる。
同時代のギリシア・ローマ他の諸国家・民族との関連を解明し、
ヨーロッパの中のケルト人の本質を分かりやすく記述。
図版・地図多数、索引完備。
内容説明
ヨーロッパ各地に広範に色濃く認められるケルト文化の痕跡…、ケルト世界に隣接した同時代のギリシア、ローマ、エトルリアなど地中海世界やゲルマン世界とも相照らし検討する比較文化的視点も加えて、ケルト民族の雄大な歴史をたどり、その文化的遺産の本質と価値を紹介。
目次
ケルト史の再構築に向けて
ケルト人の起源
ハルシュタット文化とラ・テーヌ文化
ケルトとギリシア・ローマ世界
ヨーロッパに広がるケルト人
ケルト人と戦闘
ケルト社会の構造と特徴
ケルト人の生活様式
ドルイドの役割と機能
ケルトの宗教と習俗
ローマのガリア征服と支配
ブリテン諸島の初期ケルト人
ローマのブリテン支配とケルト人
キリスト教の伝来と修道院文化
ケルト文学の遺産
ケルト復興運動
ケルトの遺産と価値
著者等紹介
木村正俊[キムラマサトシ]
1938年生れ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程英文学専攻修了。神奈川県立外語短期大学名誉教授。専門分野はアイルランド文学、スコットランド文学、ケルト文化(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Koning
14
タイトル通りケルト人の歴史と文化の概略書。類書と比較して扱う範囲が満遍なく好感が持てる。島ケルトはケルトじゃない説にも触れつつもでもまぁ多様性を持つケルトの一部として扱うのは正しいと思う.古代ギリシア・エトルリア人との接触から現代まで、考古学的事実から神話、史書に記された記録、言語までケルトという言葉の持つイメージを形作るさまざまな物事を紹介している.では価格は高いけれど必携の一冊と言い切っていいと思う.2013/03/02
ぶんぶんりんご
3
ケルト人の文化や芸術についてだけでなく、ローマ等周辺民族との関わりや社会性、民族性に重きを置いた書籍。ケルトについての本はこれで2冊目ですが、参考写真等も多い上大変平易で尚且つ情報量も多いので、これからケルトについて学びたいという方にはお薦めの一冊です。2015/10/04
naoto
3
世界史の中で地味なんだけどなぜか気になるケルト。本格的なのは初めて。自然信仰だったり多神教だったり、親近感がわくけど、これは一神教がちょっと違うだけで自然な流れなのかも。ケルト系の言語…ゲール語とかウェールズ語とか…って他のヨーロッパ言語と全然違うイメージがあるし、今度は言語面からも迫ってみたいな。2015/07/02
j1296118
2
所有を表す動詞が無く「~の所に…がある(…が~と共にある)」で表現される、というのが印象に残った。その特徴の背景になるものが風習や物語に現れてたりはしないのだろうか2015/07/29
金吾
1
○面白かったです。ケルト人に対する思い違いがわかる9章までは秀逸でした。2019/11/16