出版社内容情報
日本でも人気を博した緑茶の香水、ブルガリの「オ パフメ オーテヴェール」の作者で当代一の人気調香師と言われるジャン=クロード・エレナ。エルメス香水の創作者として、内に秘める哲学、その姿勢や日常を綴った貴重なエッセイ。
内容説明
エルメスの調香師が南仏、パリ、東京…で綴った香水の創作日記。
目次
調香師の日記
調香の抄録(ダイジェスト)
著者等紹介
エレナ,ジャン=クロード[エレナ,ジャンクロード][Ellena,Jean‐Claude]
エルメスの専属調香師を2004年より務める。仕事も生活も南仏グラースを拠点とする。現在、エレナの作品はカブリのアトリエにて制作されている
新間美也[シンマミヤ]
調香師。京都外国語大学卒業後、1997年よりパリにてフランスを代表する調香師モニック・シュランジェ氏に師事。パリを活動拠点にして、香水やコスメ等の香りを創作。2003年、母校である香水学校の日本校サンキエームサンス・ジャポンを設立。その後、アトリエ・アローム&パルファン・パリを設立して、日仏で香りの講座やオーダーメイドフレグランスの制作、アロマテラピーブランド「フィン・フロール」の運営に携わる
大林薫[オオバヤシカオリ]
青山学院大学文学部フランス文学科卒業。フランス語翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ホッパー
51
調香師という特殊なお仕事。日記の内容も匂いに関する記述が多く、知らない分野なのでとても興味深い。2021/04/24
miyu
32
「庭シリーズ」の調香師ジャン=クロード・エレナ。日記という形式のせいで短くて読みやすい。私にとってエルメスの香水というと母の鏡台にあったカレーシュやイリスがまず思い浮かぶ。どちらもエレナの作品ではないがクラシカルでエレガントだった(ボトルも素敵)。いま彼の創りあげる香りはモダンなのにそこはかとなくクラシックさも備え市場の流行に簡単には迎合しない意思のようなものさえ感じる。彼は自分を職人であり芸術家だと称するが、私は以前から彼はむしろ哲学者と感じていた。この本から彼の日常や考えに触れて、その思いを強くした。2015/05/11
nina
17
2004年からエルメスの専属となったカリスマ調香師であるエレナ氏の一年間に及ぶ日記。香りに対する考え方や、日常のふとした瞬間にとらえた匂いから生まれる閃き、市場に出回っている香水やマーケティングに対する懸念、商品化される香水のネーミングのアイデア、PRで訪れたロシアや香港、東京の印象など内容は多岐にわたる。謙虚で気取らず自由を重んじる人柄や創作に対する真っ直ぐで情熱的な姿勢がその書きぶりからうかがえ、繊細で奥深くどこか官能的な彼の作品の数々に魅了された者の一人としてこの本を読めることは大きな喜びであった。2015/04/14
くさてる
16
香水を作りだすプロフェッショナルとして名高い著者の、日々の生活における香水や芸術、仕事に関する随想を気ままに綴ったエッセイ。私は香水があまり得意でないのだけど、だからこそ余計に未知の世界と感覚が広がった内容で面白く読むことが出来ました。言葉や映像では表現できず、どこまでも個人的な体験でしか判断できないような香りの世界だからこそ、この研ぎ澄まされた美意識が必要とされるのだなと思いました。良かったです。2015/06/09
りか
13
エレガントでウィットにとんだ文章! 調香師でなければ作家になられた方が良いのでは…?と思うほど♪ 香水がお好きな方には是非読むことをお薦めします♪2012/11/17