密告者ステラ―ヒトラーにユダヤ人同胞を売った女

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  • サイズ B6判/ページ数 493p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784562045495
  • NDC分類 289.3
  • Cコード C0098

内容説明

理想的なアーリア人のルックス―ブロンドヘアと青い瞳をもつユダヤ人、それがステラ。少女のときから美貌を誇り、溺愛されながら育った。ベルリンで長く暮らす一家はナチの騒動を楽観視していたが、ユダヤ人一掃は現実になる。両親の収容所送りを免れるため、ゲシュタポからの許可書と銃を持ち、ベルリン在住のユダヤ人を容赦なく摘発していく彼女は、同胞を裏切る悪魔なのか、歴史に翻弄されただけなのか。ブロンドの誘惑するローレライと呼ばれた美女の、衝撃の実話。

目次

第1章 ヒトラーの時代に成長する(思い出;ステラ;ベルリンでの少年時代;難民の学校;ユダヤ人の出国;一九三八年―終焉への幕あけ;第三の火)
第2章 生死の境―脱出か逮捕か(一九三九年―逃避行;自由への最後の通過地;崖っぷち;「みんな親衛隊に囲まれた!」;「シャワー室へ」;Uボートのような潜伏生活)
第3章 ゲシュタポとの生活(決意―悪魔との契約;最初の血;監視人と密告者;密告者とその恋人;ヘルタとの三角関係;ハイノとの三角関係;最後の日々)
第4章 戦争の余波(再びステラ;訴訟;ステラの娘;アイヒマンのために働く;「親愛なるステラへ…」;審判;母という影)
第5章 乗り越えて(一九八八年―終わりの年;「ほらね、ヒトラーの負けじゃない!」;消せない記憶)

著者等紹介

ワイデン,ピーター[ワイデン,ピーター][Wyden,Peter]
1923年にドイツ・ベルリンで生まれる。本名はPeter Weidenreichだが、1937年に家族でアメリカ・ニューヨークへ移住して改姓する。ニューヨーク市立大学で学び、ジャーナリストとして活躍。1998年に74歳で他界するまでに多くの記事・著作を記した

小松はるの[コマツハルノ]
慶応義塾大学大学院修士課程修了。ケルン大学、ハンブルク大学、フランクフルト国立図書館(亡命資料保管庫)等で研修。東海大学名誉教授。専攻はドイツ語・ドイツ文学、ナチズム

米澤美雪[ヨネザワミユキ]
アメリカ合衆国カリフォルニア州立サンディエゴ校(SDSU)アメリカ研究修士課程修了。カリフォルニア、サンタバーバラ校(UCSB)で1年間(1999年~2000年)研究研修。東海大学教授。研究対象はアメリカ移民史、民族、人種、および英語の多読、多聴研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

どんぐり

50
第二次大戦中のベルリンで、ユダヤ人の同胞を探し出し、ゲシュタポに売り渡した女性がいた。彼女の名は、ステラ。ブロンドヘアと青い瞳をもつユダヤ人。なぜステラはユダヤ人を摘発するナチスの協力者になったのか。自分が生きるために、家族の命を守るために、「ソフィーの選択」のように二者択一の選択を迫られたのだろうか。確かに興味深い話だったが、翻訳本の読みにくさと読み終えるのに時間がかかり面白さが半減。2014/12/25

あずき

5
あの恐ろしい時代にまだ20歳の女性の生きる為に選んだ選択を安全な場所から非難は出来ないけれど、裏切らない選択を選んだ人々も沢山いたから、なかなか答えが出せない話だった。が、著者のステラへの想いが至る所にあって、やや辟易せざるを得なかった。2024/12/11

Mana

5
ナチス政権下のベルリンで、ブロンドのユダヤ人少女ステラはドイツ人のフリをして潜伏していたが捕まってしまい、自分と両親の身の安全のためにナチスの手先として同じ潜伏ユダヤ人を捕まえていくようになった。著者はステラと小学校時代の同級生で、彼自身はナチスの初期の段階で母が渡米を強く主張したこと、出国税を払えるだけの資産が家にあったことからアメリカに脱出し、戦後ドイツでステラの裁判のことを知る。そのためかステラに同情的で、本書は出版後ユダヤ人から強く非難されたらしい。2018/08/23

ゆずこまめ

5
著者はステラと同じ学校に通い、迫害がひどくなる前にアメリカに移住した人物。子供時代皆のアイドルだったステラはなぜ同胞を売ったのか?丁寧に調べています。極限まで追い詰められた経験のない私には、ユダヤ人ではないことを除いても、ステラを責める資格はないと思いました。2012/12/23

Rutam

4
運命が微笑むことはなかった。ナチスという精神的、肉体的暴力に怯えての生活は痛々しい。両親を助けるため、生き残るため、多くの同胞を犠牲にした彼女。最後には自殺。ノンフィクションゆえに、実在の人物の苦悩、葛藤、知れば知るほど耐えられない。彼女が血も涙もない女ならまだしも、音楽好きのユダヤ人女性がなぜこんなめに合わなくてはならないのか。生きるために必死で、もがいた彼女は救えなかったのか。2016/11/23

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