出版社内容情報
この国にとって、自衛隊とは一体なんだ? 「戦いを禁じられた軍隊」は、何にアイデンティティを求めるのか? 気鋭の女性外国人社会学者が戦後最大の矛盾に挑んだ。全国の基地・駐屯地に実際に行き、あらゆる部署・階層の自衛隊員およそ200人に取材した。3年ごしの交渉の末に駐屯地に体験入隊し、若い隊員の声も拾った。戦前の資料から現代の週刊誌の記事まで、厖大な文献を読破し、自衛隊と世界の軍事組織を比較検討した。そして見えてきたものは、実にさまざまな「不安」だった。
内容説明
気鋭の外国人社会学者(女性)が日本社会での自衛隊のあり方を分析。戦いを禁じられた軍隊のアイデンティティとは何か?知られざる自衛隊の実像に迫る。
目次
第1章 駐屯地で(調査対象と方法;本部;隊舎;食堂;演習場;自衛官募集事務所;資料館;名誉の除隊・送別会)
第2章 兵士と隊員のヒロイズム(個人主義と「サラリーマン」;皇軍兵士の影;西洋人気質、プロ意識、アメリカ人男性)
第3章 フェミニスト・ミリタリスト(究極の挑戦;パイオニアと一匹狼;社会通念の打破;再女性化、極端な男性化)
第4章 大衆文化を利用する自衛隊(広報ポスターと民間人化;世界平和と「ピクルス王子」;軍国主義の祝典)
第5章 戦いの記憶、代用の歴史(地域に限定した歴史を作る;戦いの記憶を認証する;戦争と平和の象徴化)
著者等紹介
フリューシュトゥック,サビーネ[フリューシュトゥック,サビーネ][Fr¨uhst¨uck,Sabine]
1965年、オーストリア生まれ。1996年、ウィーン大学にて博士号取得(日本社会学)。現在はカリフォルニア大学サンタバーバラ校教授(近現代日本研究)、東アジアセンター所長。近現代日本の文化と社会、特に、権力/知、ジェンダー/セクシュアリティ、軍事/社会について研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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