内容説明
地上五階、閉められていた窓は大きく開き、そこからコウモリが空へと羽ばたいていった。部屋にいた若い女性は、「コウモリの鳥小屋…」と言い残して死んだ。彼女の喉に、小さな赤い傷が残された。コウモリが殺したとしか考えられない状況に疑いの目は隣室にいたドン・ディアボロにおよぶ。すべてを明らかにするために、ディアボロもまた、虚空へ消えた…。黄金時代の魔術師クレイトン・ロースンがおくる“もうひとりのマジシャン探偵”ドン・ディアボロ登場。
著者等紹介
ロースン,クレイトン[ロースン,クレイトン][Rawson,Clayton]
1906~1971年、アメリカ。38年に『帽子から飛び出した死』でデビュー。また、『エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン』の編集などにもたずさわった
白須清美[シラスキヨミ]
早稲田大学卒、英米翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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雪紫
25
初ロースン。つかみとアクション、掛け合いは上手い(だがニックとディアボロを混合してしまった)。バンバン奇術ネタ出て来るし。・・・チャーチ警視!頭の血管大丈夫か!調べると感想でルパン三世に例えるひとが何人もいる気持ちもわかるような。ルパンは普通に犯人だからとっつぁんが有能だけど(逮捕したこともあるし)、あっちはディアボロ(込みの奇術師憎し)だから空回り感半端ねぇ・・・。令和にタイムスリップしたら心の健康という意味で心配になるひとだわ・・・。2025/05/21
keik29
5
ロースンがスチュアート・タウン名義で刊行したドン・ディアボロが登場する2中編を収録したもの。残りの2中編も読んでみたい。2024/12/05
おふねやぎっちらこ
2
クレイトン・ロースン懐かしいです。マーリニ以外の奇術師探偵も創作していたことを初めて知りました。2024/07/24
よだみな
1
読んだことすら覚えていなかった。2016/07/20
schizophonic
1
騒々しい殺人奇術ショー。 トリックを仕掛けるのは犯人だけではない。探偵役を務める奇術師ディアボロもまた、始終、様々なトリックを駆使して、窮地を脱したり、手がかりを入手したりとにぎやかだ。 犯人との対決は、トリックに精通する者同士のトリック尽くしの騙しあいの様相を呈していて、派手派手しい演出にゾクゾクする。2011/01/14