出版社内容情報
ベルリンの壁をめぐる歴史ドキュメント。壁と隣り合わせに暮らしてきた市民の肉声を丹念に拾い上げた労作。
内容説明
分断の日々を、そしてあっけなく「崩壊」した日を、人々はどう過ごしていたのか?淡々とした記述で真実の重みを伝える、珠玉のノンフィクション。
目次
第6章 矛盾
第7章 弾丸を背にして
第8章 雪解け
第9章 静けさに包まれた夜
第10章 夜明け
第11章 さまざまな断片
著者等紹介
ヒルトン,クリストファー[ヒルトン,クリストファー][Hilton,Christopher]
1944年生まれ。イギリス人。『サンデー・エクスプレス』『デイリー・エクスプレス』のジャーナリストをへて、作家となる
鈴木主税[スズキチカラ]
1934年、東京生まれ。編集者を経て、翻訳業に従事。『栄光と夢』(全五巻、W・マンチェスター著、草思社、1976~78年)で日本翻訳出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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読書実践家
7
社会主義と資本主義。当時のドイツには2つの社会システムを経験した人々がたくさんいた。そして、その人々は机上でイデオロギーを考えるよりも、何らかの本質的な考えに至っているのではないか。こんなにもベルリンの壁について、考えたことは今までなかった。2016/02/02
ゆずこまめ
1
北朝鮮と韓国を思うとドイツがまた一つになったことは実はすごいことなのかもしれない。壁がなくなったことを素直に喜びたい。でも西ドイツの人の東ドイツの人々への優越感や、東ドイツの人々の東ドイツでの生活もそう悪いことばかりではなく祖国への愛着など複雑な気持ちなど壁で隔てられていた間に気持ちの上でも壁ができてしまっていた。壁がなくなってからだいぶたつ今、ドイツ人はどう思っているんだろう。2022/10/19
四葉
1
ミュージカル「ヘドウィグアンドアングリーインチ」観劇の予習にと読みはじめたら上巻の内容の重さに打ちのめされ、下巻を読み終わったのは大千穐楽から2週間後(笑)最後まで読めてホントに良かった!!上巻で流した怒り悲しみの涙は、下巻で止めどない喜びの涙となった。東西ベルリンの往来可能となる発表があった夜以降の、嬉しさだけでない民衆の心理、情報も指示もないなかで民衆に囲まれ緊迫する監視官の心中、西ベルリンの人が無意識に抱く優越感…あらゆる人の数だけドラマがあり著者の膨大なインタビューによって見事に立体化されていた。2019/10/15
ことよん
0
壁が無くなったときの、両側の市民の反応にうなずく。もし、北朝鮮と韓国の間の国境が無くなったら同じ思いをするのでしょうか。2014/01/04
千秋けん
0
ベルリンの壁にまつわるいくつものドラマが描かれている。下巻は壁崩壊とそして壁崩壊後のドラマが収録されている。リアリティのある本2012/06/01