内容説明
スッコトランド高地連隊の狙撃兵トマス・キースは、トルコとの戦いのために、1807年にエジプトへ―実話をもとに描かれるイスラム教に改宗し、アラブ世界に生きた高潔な戦士の物語。
著者等紹介
サトクリフ,ローズマリ[サトクリフ,ローズマリ][Sutcliff,Rosemary]
1920‐92年。海軍将校を父親にもち、9歳の年まで世界各地で暮らす。父親が退役すると一家はデヴォン州北部に落ち着いたが、母親の死後サセックス州に移り住む。それ以後、その地で暮らした。とくに子ども向けに書いた作品で多くの読者を獲得し、かつ高い評価を受けている。また、王立細密画家協会の会員だったこともある
山本史郎[ヤマモトシロウ]
1954年、和歌山県に生まれる。1978年、東京大学教養学部教養学科卒業。東京大学大学院総合文化研究科教授。専攻はイギリス19世紀文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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myaown
1
英国人+アラビアとくればロレンス?と思い浮かぶが、彼より1世紀ほど前にアラビア世界で波瀾万丈に生き、そして死んだスコットランド人、トマス・キースの物語。ほとんど史実らしいが波乱に満ち過ぎている。宗教感に薄い自分には"改宗"にいまひとつ実感が湧かない。が、世界はひとつで神もただひとり、ただ人間の解釈が違うだけだと、突然理解するというか、悟りが下りて来る。その描写に理解を助けられる。後に、同じ捕虜から医師になるドナルドと改宗について語り合う場面で、出世のためと割切る彼との対比がトマスの高潔さを際立たせている。2015/09/23
shou
1
スコットランド人の視点で異文化を描いているせいか、なおさら濃厚な中東の香りがする。実話をもとにしているということで、がっちり組まれた物語という印象。それにしても女性陣がコワい。2013/03/23
メイロング
1
一つ一つ積み上げて石垣とするような、堅牢な物語。熱い中東の風がページの間から吹いてくるよう。物語の展開自体は、期待通りのピンチの連続で、驚きは少ない。けれどもその描写が濃厚でむせかえる。岩波書店の児童向けファンタジーのサトクリフと比べたらライトだけど、それでも決して隙がない。海外の時代小説も、もっと読んでみないとなあ。2011/09/15
ぎんた
0
合わないのか全く読み進まない…下巻へ続く2011/12/11
dumpty
0
苦戦してます。2007/06/13