内容説明
離陸時に主脚タイヤがバーストしたパリ発成田のボーイング機は、胴体着陸の可能性とともに日本へ向かっていた。そうしたなか、パリから東京へ衝撃的な情報が入った。「ド・ゴール空港が閉鎖された、機内に放射性物質が運び込まれたらしい」もしも着陸に失敗して機が火を噴けば、あたりに「死の灰」をまき散らすことになる。一刻も早く降りたい「コクピット」と降ろせない「地上」、いかにしてこの危機を逃れることができるのか―。
著者等紹介
内田幹樹[ウチダモトキ]
1965年、全日本空輸株式会社(全日空)入社。操縦教官、ボーイング747~400機長として活躍。97年に『パイロット・イン・コマンド』でサントリーミステリー大賞優秀作品賞受賞。現役機長による本格航空小説として高い評価を受ける。歯に衣着せぬエッセイ集『機長からアナウンス』がベストセラーに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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れみ
53
パリから成田へ向かう旅客機206便でタイヤが2本故障するトラブルが発生。しかも機内に放射性物質が持ち込まれたことも発覚する…というお話。これをはじめて読んだ頃には漠然としか感じなかった放射能汚染の深刻さが、今は現実にすぐそこにあるものになったことを思わずにはいられません。東日本大震災を知らずに故人となった作者の内田幹樹さんに、このお話よりももっと大変なことが日本で起こってしまいましたよ…と言いたくなります…。2014/10/12
tetsu
8
★4 テロリストによりパリ発成田行の旅客機にプルトニウムが持ち込まれる。さらに離陸時にタイヤがバーストするというアクシデントが重なり、 着陸失敗、炎上爆発、放射性物質拡散を恐れた日本の各空港が着陸距離する。刻々と状況が変わる緊迫した展開に機長の冷静な判断が光る。 地上の対策室の右往左往ぶりは、作者がパイロットで専門家だけに、役職など細かすぎて煩雑になり、やや減点。 福島原発の事故がなければ、映画化もあったかも。2013/10/20
紗夜
8
いつも、この人の本業を忘れてしまうくらい文章が上手だなと感心するし、沢山の本を読んでいらっしゃったんだなとおもう。いつも地上と下の摩擦やズレの話が出てくるけれど、この方が本当に感じていたことなんだろうかと思って読んでいます。地上の人たちの誇りの高さやかっこよさをいつもすてきだな、と思いながら読み進めています。もう内田さんの作品で出版されているものは読んでしまった。続きが無いと思うととても残念だ。2010/12/08
~
6
核を積んだ旅客機がパリから日本へ、しかもタイヤがバースト。そんな旅客機の着陸を成田も千歳もみーんな拒否。さて、どーなる!飛行機からビンを捨てるとかいう話。どーなる!朝霧機長、竹村。2014/07/09
三輪
5
これもおもしろいけど。この方の一番のおすすめは「査察機長」かな2011/02/02
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