内容説明
夫の急死で悲しみに暮れる未亡人とその関係者たち。だが、その中の誰かが夫を毒殺したことが明らかにされる。未亡人の幼馴染みであるルパートは、ソーンダイクに真相の解明を依頼するのだが、やがてそれが考えもしなかった結末へと連なっていった。誰が、いかにして夫を毒殺したのか。証拠はどこにあるのか。それも確かな証拠が。ソーンダイク博士シリーズの傑作長編と話題を呼んだ逸品。
著者等紹介
フリーマン,オースティン[フリーマン,オースティン][Freeman,R.Austin]
1862~1943年、イギリス。“シャーロック・ホームズのライヴァル”ソーンダイク博士の生みの親であり、推理小説にいちはやく科学的捜査やフェアプレイの態度を表明し、いわゆる黄金期以降の作家に多大な影響を与えた
武藤崇恵[ムトウタカエ]
1966年生まれ、成蹊大学文学部卒業。英米翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
23
夫の急死で悲しみに暮れる未亡人とその関係者たち。だが、その中の誰かが夫を毒殺したことが明らかにされる。誰が、いかにして夫を毒殺したのか。証拠はどこにあるのか。ソーンダイク博士シリーズ。2006/03/21
本木英朗
19
英国の本格ミステリ作家のひとりであるオースティン・フリーマンの11番目の長編が、この作品である。俺は2006年に一度買って読んだので、今回が2回目である。夫の急死で悲しみに暮れる未亡人とその関係者たち。だが、その中の誰かが夫を毒殺したことが明らかにされる。未亡人の幼馴染であるルパートは、ソーンダイクに真相の解明を依頼するのだが、やがてそれが考えもしなかった結末へと連なっていった……というような話である。途中からちょっと俺には難しすぎたかもしれないが、まあいいや。さすがソーンダイク博士であった。2019/10/22
ホームズ
7
殺害のトリックに関してはシャーロック・ホームズの中にも似たようなものがあったかな(笑)全体的に地味な展開ではありましたがソーンダイク博士の思いやりのような物をかんじられたのが良かった(笑)しかしボルトンの出番も少ないしジャーヴィスは登場しないというのは寂しいですね(笑)2011/02/18
シロゴマ
6
発オースティン・フリーマン、初ソーンダイク!傑作長編って紹介されてた通り傑作!!今でこそ科学者が探偵のミステリは珍しくないけど、どうやらソーンダイク博士が元祖らしい。実験の描写は、小学校の理科の実験みたいにワクワクしながら読んだ(これが書かれた時代、科学捜査がどのくらいのレベルなのか全然知らず、X線でてきた時にはびっくりした!)。 ただの科学捜査ミステリとしてだけでなく、ちゃんと「お話」としても面白いよね。結末は切なくてドラマチック。博士が友情に厚いとこもいい。 他の作品も手に入れたいけど、翻訳が少ない上2012/10/20
旭
6
現在の殺人から次第に過去の謎も紐解かれていく、という仕立てが好き。冷静に科学捜査で犯人を暴いていくソーンダイク博士の、探偵には珍しい穏やかなたたずまいは逆に新鮮(平行して読んでいたのがクリスピンだったから際だったのかもしれませんが)。しかし、この人しかいないだろうなあ、という犯人でした。分かってはいてもこの結末はむごい。だからこそ、彼に見せる博士のいたわりにほろりとしました。2011/11/22