内容説明
ヒムラー配下の2万人のゲシュタポ要員が第三帝国内の治安維持に責任を負った。この権力のもとで、占領ヨーロッパの数十万単位の民間人、レジスタンス運動員、スパイたちが暴力や拷問を受け、殺害され、多くの人々が死の運命が待ちかまえる強制収容所に送られた。ゲシュタポが、ナチ体制の欠かせない支配要素となっていく過程を追う。
目次
第1章 権力への道のり
第2章 ライバル
第3章 ハイドリヒの猛進
第4章 統制の強化
第5章 開戦
第6章 占領地域
第7章 レジスタンスの粉砕
第8章 第三帝国の終焉
著者等紹介
バトラー,ルパート[バトラー,ルパート][Butler,Rupart]
ドイツ第三帝国と第2次世界大戦の起源にかんする歴史を専門とする作家、ジャーナリスト。各国の新聞や雑誌への寄稿も多い。ロンドン在住
田口未和[タグチミワ]
1963年、北海道生まれ。上智大学卒。新聞社カメラマンをへて、2000年よりフリー。著作・撮影活動を続けるとともに、ノンフィクションを中心に翻訳にもたずさわる。東京都在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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CHRONO
3
ドイツ国内や占領地など内側の敵を取り締まる秘密警察、ゲシュタポにまつわる組織や人々の話。主軸の話以外にも、解説付きの写真や資料の紹介、別枠に設けられたコラムなどちょっと忙しいが、飽きさせない構成。ヒトラーとナチスのためにという大義のもと、個人の秘密や自由は存在しなくなり、政権批判はおろか、通常の会話も危険になり、財産も命さえもいつ失われるか分からないという、今の香港、ウイグルのような大きく抑圧された状態が終戦までの約10年間ほど続いていく。人口500人ほどのリディツェ村の虐殺のコラムが衝撃的。恐ろしい。2021/07/18
BLACK無糖好き
3
ナチ党の政権掌握から第三帝国の崩壊と戦後のニュルンベルク裁判まで、ヒトラーのもとで権力闘争を繰り広げる側近たちに焦点を当ててナチス・ドイツの歴史が描かれている。狂気に追従する人が多い中にも危機感を抱く人達もいた。戦況が深刻に悪化して行く中で、フリードリヒ・オルブリヒト将軍らの計画したヒトラー暗殺の企て「スモレンスク作戦」が成功していたなら、少しは歴史も変わっていたであろうか?何れにしてもナチ時代を生き抜く幹部はアイヒマンのように冷徹になりきれる人間でないと務まらないのだろう。2015/02/09
allSS0413
1
独裁国家にとって必要不可欠の秘密警察の原型?でもあるゲシュタポの解説本。ゲシュタポの手口や組織より歴史に重点が当てられている。コラムや写真がついていて見やすいが、内容としては広く浅くという感じかも。最後にミュラーのコラムが面白く、彼の本も読みたいなと思わせる。ソ連共産党のやり方を真似たのがゲシュタポなら秘密警察の原型はソ連警察になるのか?2016/11/11
os
0
タイトル通りゲシュタポ内部に焦点を当てた本。なので大戦やヒトラーの動きは見えにくい。図書館で借りたらすごい汚かった。2016/02/04