内容説明
ロンドン、ヒースロー国際空港を夕刻に飛び立ったNIA二〇二便は、百三十七名の乗客を乗せて東京へ向かった。シベリアを越え、日本海上空に入り、成田到着まで一時間あまり。あとは安全に着陸するばかりだったのだが―。異変はそこで始まった。大音響とともに第二エンジンが火を噴いて爆発した。機体に穴があき、乗客ははじき飛ばされ、機体は急降下、さらに機長は倒れ操縦不能に―。この絶体絶命の事態に、いかにして着陸するのか。ベストセラー『機長からアナウンス』『査察機長』の著者による究極の着陸劇。サントリー・ミステリー大賞優秀作品賞受賞。
著者等紹介
内田幹樹[ウチダモトキ]
1965年、航空会社入社。国内線、国際線に機長として乗務しながら、操縦教官としてパイロットの教育にもあたる。国際線機長時代に書いた『パイロット・イン・コマンド』でサントリー・ミステリー大賞優秀作品賞受賞。またエッセイ集『機長からアナウンス』は歯に衣着せぬ筆致が話題となりベストセラーに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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たぬき君
8
元ANAの機長で教官の時執筆しサントリーミステリー大賞の優秀作品賞を受賞した作品で、民間航空機のパイロットの目に映る事実や実際の出来事を織り込んで描いた航空ミステリー小説。飛行機が大好きな私には興味が尽きない内容でトラブルが起こってからはペイジを捲る手も止まらなかった。結末はしっくりこないところもあるが満足の一冊でした。2024/07/04
ちょび
4
パイロットの方が書かれたサスペンス、操縦席からしか見ることのできない、景観の美しい描写が地理的正確さと相まって、リアル感満載です。書かれた年代と現在の航空状況が変わってきているものの、飛行機大好き人間のわたしには興味がつきないものでした。航空会社が社員を守らないのはどうしてか?納得いかない感じもありますが、空への憧れは本能の中に眠っているのかな?飛行機物は読まずにはいられません。2015/04/15
四椛睡
3
前半は冗長に感じて飽きがくる。けど、機体トラブルが発生した場面からが凄い。正に“航空パニック”。ハラハラドキドキが止まらなくて、ページを捲る手も止まらなくなる。登場人物の描写や機内での不可思議現象がサスペンスを匂わせているが、本書は『飛行機を舞台にしたパニック小説』である。少なくとも私はそう思った。何にしても、人生初搭乗で『安全のしおり』を半泣きで熟読していた身としては、殆どの人が読んでいない現実に一番驚愕した。読んだ方が良い、あれは絶対。本書を読了して一層強く思った。2022/01/03
asajee
2
大変危険な状況迫る機内の様子が、とっても迫力がありました。作者が、執筆当時も現役パイロット、ということから、この迫力が生まれたと思います。結末がしっくりこない所もありますが(原因のひとつがバードストライク⁉)、ドキドキする展開で、帳消しです。2010/09/10
びぇ
1
犯罪組織の描写は少しステレオタイプな気はしたが、メインの飛行機内の描写は流石。少し設定は古いけど、書いた時期の問題なので仕方ない。この本を映画にすると、細かい描写が逆に伝わらないんだろうなー。2019/02/01
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