内容説明
死を賭したネルソンの勝利は、ナポレオンの世界制覇への野望をくじき、大英帝国繁栄の歴史に道を開く!史上最大の海戦ドラマ。
目次
第9章 降伏
第10章 失って、そして勝った
第11章 ハリケーン
第12章 使者たち
第13章 余波
第14章 勝利の果実
第15章 英雄、それに悪者
著者等紹介
アドキンズ,ロイ[アドキンズ,ロイ][Adkins,Roy]
イギリスの考古学者。同じく考古学者の妻レズリー・アドキンズとともに考古学や歴史学の研究に従事。その活動の幅は広く、イギリス各地での発掘作業のほか、書籍の監修および著作なども行っている。夫妻とも、フィールド考古学者学会の会員で、ロンドン古美術協会の会員、作家協会会員。かつては夫妻の共同執筆で古代地中海世界に関する著作を発表していたが、現在は個々に執筆活動を行っている
山本史郎[ヤマモトシロウ]
1954年、和歌山県に生まれる。1978年、東京大学教養学部教養学科卒業。東京大学大学院総合文化研究科教授。専攻はイギリス19世紀文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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スー
9
壮絶な戦闘が続き多くの船が損傷して帆を失い漂流する艦も出始め水兵達は煤で真っ黒になりながら大砲の操作、負傷者の救助、船の修理に奔走する。イギリスの圧勝で幕を閉じるトラファルガル海戦ですが直ぐに新たな試練に立ち向かうことになる。猛烈な嵐にあい、せっかく捕らえた敵艦を失ってしまい、やっとの思いで凱旋する。その後のイギリスは巨大な帝国に成長するが海軍は戦争時十四万五千人いたのが一万九千人に削減されかつての英雄は食べ物を求めて彷徨う羽目になってしまいあの時戦死してればと後悔。ネルソンの愛人エマも悲しい最後だった。2016/09/19
はなよ
7
図書館から。主な戦闘は上巻で終わっていたので、下巻は戦後処理の描写が多い。特に目立っているのは戦後に行われたネルソンの葬儀とイギリスの情勢で、もはやネルソン海戦物語と言っていいほど濃い描写が続いていて、個人的にはイマイチだった。何回も同じような表現を繰り返すぐらいなら、もう少しフランスやスペイン側の情勢も書いてくれると嬉しかった。2017/12/06
鐵太郎
5
文句というと、訳文かな? こういう特殊用語を使う歴史ものは、ほかの本と訳語をそろえて欲しいものです。翻訳の大家の方々にはプライドがおありでしょうし過去の経緯もあるでしょうけれど。まあ、何をもって「標準」と読んでいいのかは、議論が分かれるところだと思いますけどね。高橋泰邦氏が提唱する訳語が絶対とも思えないし。(笑) とはいえこの本は、比較的「標準」に合わせた方ですかね。戦列艦を戦艦、艦船の副長を筆頭海尉という点ぐらいが引っかかるところですけど。2007/08/17
shiro
4
ネルソン提督は即死ではなく狙撃されたあともしばらく生きていたのだとはじめて知った。壮絶な戦いの末に得た華々しい勝利とその後の大嵐というドラマチックな展開。事実は小説より奇なり。イギリスが後の大国として君臨する礎を築いた戦い。ナポレオンが昔から好きになれないんだけどこれは彼側の話をあまり読んでいないせいかな。彼の視点で見ればまた見方が変わるかも。ただそれを差し引いても海戦に対する知識の欠如とそれを理解しようともせず無理難題を押し付ける傲慢さは好きじゃないね。様々な人の書簡や記事がかつての様子を彷彿とさせる。2017/10/08
かんとり
4
敵の戦列を分断するため、艦首から敵艦砲列へ突っ込んで行く。 何度も縦射されつつも、決して怯まない勇気。 砲弾、銃弾が至近距離で飛び交い、 血みどろの遺体が甲板を覆いつくしていく中を、平然と会話し命令を発する。 ナポレオン戦争当時の海軍士官、水兵の生き様を、てにとるように感じることができる帆船戦記でした。2017/02/06