内容説明
富豪の女流作家、イーニッド・レスター=グリーンの住むフライアーズ・パードン館では、不可解な出来事が続いていた。いつのまにか置き物の位置が変わっていたり、不審な音が響いたりと、住人たちの不安はつのっていった。そうしたなかで事件は起こった。イーニッドが施錠された部屋の中で溺死しているのが見つかったのだ。ところが床は乾いており、部屋には水の入った花瓶さえなかった。さらに数分前には助けを求める悲鳴をあげていたという。魅惑的な謎で魅了する英国黄金期の傑作推理。
著者等紹介
マクドナルド,フィリップ[マクドナルド,フィリップ][MacDonald,Philip]
1900~1981年、イギリス。祖父と父も小説家という家に育ち、第一次世界大戦従軍後の1924年、ゲスリン大佐シリーズ第1作『鑢』を刊行、その後、趣向を凝らしたフェアプレイ精神溢れる作品で人気を得る
白須清美[シラスキヨミ]
早稲田大学卒、英米翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紅はこべ
13
館ものの密室系不可能犯罪ミステリ。黄金時代の典型的作品。謎は魅力的で、その点は合格。犯人の追い詰め方はどうかと思うが。2008/08/17
☆エンジェルよじ☆
11
まわりくどい表現が多く、読むのに苦労したww2011/02/23
guriko
3
黄金時代における素人探偵の美人容疑者への一目惚れ率は高すぎではないか。金持ちで支配的な主人のいる館モノは大好物なので問題ないですが。2020/07/26
やっす
3
密室状態の書斎で女主人が溺死する。しかし部屋の中には一滴の水も存在していなかった。 非常に独創的かつ魅力的な不可能状況が素晴らしいです。 残念ながらその解決は拍子抜けと言わざるを得ませんが、このような謎を考えついた作者に、まずは拍手を贈りたい。 前半がやや冗長だが、事件発生から関係者への尋問、証言の整理と確認を経て、不可能状況の解明、更には降霊会での犯人指摘へと流れる様に物語が進むところはいかにも黄金時代風で好印象。惜しむらくは、もう少し真相にインパクトがあれば良かったかな。2013/09/10
J・P・フリーマン
2
水のないところで溺死という状況には興味を引かれましたが、読んでいくと物足りなさがあったなあ。2013/06/22
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