内容説明
ペロポネソス戦争を閃光のように駆け抜けたアルキビアデス。類まれな美貌と才能にめぐまれ、戦略と機知と決断力を備えた英雄の生涯。
著者等紹介
サトクリフ,ローズマリ[サトクリフ,ローズマリ][Sutcliff,Rosemary]
1920~92年。イギリスを代表する歴史小説家。1959年、すぐれた児童文学に与えられるカーネギー賞を受賞し、歴史小説家としての地位を確立した。1975年には、大英帝国勲章のOBE、1992年にはCBEが贈られている
山本史郎[ヤマモトシロウ]
1954年、和歌山県に生まれる。1978年、東京大学教養学部教養学科卒業。東京大学大学院総合文化研究科教授。専攻はイギリス19世紀文学
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感想・レビュー
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ヴェルナーの日記
250
アルキビアデスは、実在した人物で紀元前450年頃 - 紀元前404年かけて古代ギリシャ世界で活躍したアテナイの政治家・軍人でありソクラテスの弟子の一人。この頃のアテナイはクレイステネスが、紀元前510年に僭主ヒッピアスをスパルタと組んで追放すると、その後の政治的混乱を収拾してアテナイの実権を握り民主主義的な改革を推進する。新たなる行政・軍事上の区分単位として、旧来の血縁による4部族制を廃止。地縁に基づく10部族制を基礎とした五百人評議会の設置し、将軍職を定めるなどアテナイ民主政の基礎を確立する。 2019/04/19
星落秋風五丈原
24
アドニスの花とは、アネモネのこと。ため息の出るほど美しい少年アドニスは、女神アフロディテに愛されるが、嫉妬したアフロディテの愛人アレスの企みによって、狩りをしていた時にイノシシの角に突かれて死ぬ。その時に流れたアドニスの血から深紅の花を咲かせるアネモネが生まれたという。このギリシア神話に登場する少年のように、神に愛されすぎた男が、紀元前のアテナイに生きていた。。際立った容姿、衆に抜きん出た才知ゆえに男からも女からも愛されたアルキビアデス。2005/03/16
BIN
9
知名度は低いけど、ペロポネソス戦争で諸国を翻弄した傑人アルキビアデス。軍事、外交、弁舌などの才に恵まれ、類まれな美貌も持ち、男女に人気の人物だが、人を見下すところがあるお人です。本作では政敵の策略でアテネから追い出されるところから始まり、スパルタ→ペルシャ→アテネへの復帰まで。描き方がアルキビアデスの周りの視点から語らせる書き方で非常にわかりにくい。それでも面白けりゃいいのだが、正直面白みはない。今の所、魅力が全く引き出されていない。ある程度知ってないと辛いかも知れない。とりあえず頑張って下巻も読む。2018/09/17
naoco
7
最初は混乱したけどどんどん面白くなってきました。下巻が楽しみ。2019/07/31
本とフルート
3
アルキビアデスほど、今まで読んできた作品の中で評価が真っ二つに割れている人物を知らない。それは、彼が現代から見ても評価の困難な、矛盾を秘めた人物だからかもしれない。そして、それゆえの魅力を兼ね備えている。サトクリフがそんな彼をどのように描き切るのか、下巻への期待も高まった。2020/09/19
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