内容説明
マビノギオンは「マビノギ」と呼ばれる4編の作品をふくむ、吟遊詩人によって語り伝えられてきた中世ウェールズのケルト幻想物語集。トマス・マロリーの『アーサー王の死』よりもはるかに古いアーサー王物語の原点ともいうべき作品がおさめられている。シャーロット・ゲスト版は中世ロマンスの研究家シャーロット・ゲストによって、1938年から45年にかけて、はじめてウェールズ語から英語に翻訳されてケルト・ブームをまきおこし、アルフレッド・テニスンやウィリアム・モリス、そしてラファエル前派などに大きな影響をあたえた。ケルト・ブームをまきおこした巧緻にして典雅なゲスト版初の完訳。アラン・リーの美しい挿絵と格調高い翻訳による決定版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
帽子を編みます
45
図書館本、手元においてもっと読みたくなります。面白いのですが整ってはいません。まさに口承文学、語り手が朗々と語り、聞き手がうっとりと聞く、お気に入りの部分は付け足して長くなっていく…、その過程も浮かぶようです。『マソーヌイの子のマース』、ガーナー『ふくろう模様の皿』はこの話の一部がもとになっています。花から作られた女、三角関係、ふくろう、…これだけでもドラマなのに、もっともっとと物語の要素が溢れだすようです。処女の膝に足をのせていないとおちつけない英雄?いやどんな姿勢?ここを挿し絵にして欲しいところです。2024/05/09
遊未
9
格調高い挿し絵、各物語の扉が本を開く人を物語の世界に招くように素晴らしい。アーサー王、ガウェインもバーシヴァル、そして聖杯の古い姿があります。悩むことなく、振り向くことなく、ただひたすら前に進む物語。文章は読みやすかったり、読みにくかったりですが、そもそも読む物語ではなかったことは実感できました。2020/11/30
Bo-he-mian
7
厳密には「読んだ」というより「観た」かな(爆)。いま、色んなケルト関連本をパラレルに斜め読みしているところで、一冊を熟読・・・は中々できないのだけれど、とにかく本書は『指輪物語』でも知られるファンタジー画家、アラン・リーのフルカラーの挿絵が悪魔的に美しい。水彩画で、なんで石とか木材の質感をあんなに素晴らしく表現できるのォ !? そしてめくるめくロマンの馨り・・・挿絵本の魅惑にひたすら陶酔する一冊なのである。2018/01/13
クロノ
3
訳文が古めかしく読みにくかったものの、中身はとても楽しめた。語り自体は非常に雰囲気はある。挿絵も美しい。原初のアーサー王伝説は興味深い。この本はウェールズ語→英語→日本語の多重訳なので、ウェールズ語→日本語のバージョンも読んでみたい。2025/06/13
戦狐
2
アーサー王物語の最終巻読む前に読了。騎士道が前面に出されたアーサー王物語に対し、前身のこちらは魔法などの民話色を色濃く残しており読んでて飽きる事がなかった。2016/03/22
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