内容説明
1962年秋、アメリカとソ連は世界を核戦争に巻き込む瀬戸際にあった。キューバにミサイル基地を建造しようとするソ連は、四隻の潜水艦を隠密裏に派遣。事実上、搭載した核弾頭付魚雷を潜水艦艦長みずからの判断で発射する権限を与えていた。キューバへのミサイル配備を確認したケネディ大統領は海上封鎖を宣言。戦術情報が明らかに不足するなか、危険かつ過酷な任務を背負う四隻のソ連潜水艦に対し、アメリカは駆逐艦、空母、航空機など大西洋艦隊を総動員し、当時最高レベルの対潜戦(ASW)を展開する。本書は、1990年代以降はじめて明らかになった旧ソ連側の資料、アメリカ駆逐艦ブランディに最若年士官として乗艦していた著者を含む、当時最前線にいた米ソ乗組員たちの回想などにもとづく、極限の状況を間近に見た者たちのみが語りえた迫真のドキュメントである。
目次
第1章 キューバ解放(アナディル作戦;アメリカ駆逐艦USSブランディ;対潜戦の戦術;カーマ作戦発動;十月の怒り)
第2章 スパイと外交官
第3章 ロシアンルーレット(大西洋上のデイタム;空母ランドルフ、サヴィツキーのB‐59を発見;セシル対ドゥビフコ(B-36)
ブランディ対シュムコフ(B-130))
第4章 かくれんぼ(いんちき賭博;ケトフ、回避する)
第5章 大詰め(コラへの帰還;さらばニューポート)
著者等紹介
ハクソーゼン,ピーター[ハクソーゼン,ピーター][Huchthausen,Peter A.]
1962年アナポリス海軍兵学校卒業。同年のキューバ危機の際、電子関係担当士官として駆逐艦ブランディに乗艦。ソヴィエト海軍情報アナリストとして活躍後、執筆活動に入る。現在メイン州在住
秋山信雄[アキヤマノブオ]
1937年静岡県生まれ。海上自衛隊入隊後、潜水艦部隊に勤務。潜水艦なるしお艦長、幹部学校などの勤務を経て一等海佐で退職。現在は翻訳、著述に従事している
神保雅博[ジンボマサヒロ]
1953年東京都生まれ。出版社勤務を経てフリーの編集・翻訳者となり、ジャンルによって複数のペンネームを使い分けてきた。現在は翻訳塾ユニカレッジを拠点に、若手の育成に力を注いでいる
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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