内容説明
先に刊行し好評の『モノの世界史』の姉妹版として、同書の枠組みとなる「ネットワーク論」によって、「都市と文明の誕生」から「グローバル化時代」に至る世界文明の大きな流れを、ダイナミックにとらえ、複眼的な視点で描く斬新な世界史。国家・帝国・文明圏などを、都市を結び目とする「システム化されたネットワーク」とするソフト面でとらえ、各時代の交流・交渉・移住・布教・交易・戦争など、ネットワーク上の諸活動をキーに、システム組み替えによる人類文明変容の潮流を読み解くスリリングな世界史。
目次
人類史上の二大転換点
ユーラシアに姿を現す「小さな世界」
ユーラシア諸地域を結ぶ草原の道・シルクロード・海の道
巨大な転換点となったイスラムの時代
「世界史」成立の基盤を築いたモンゴル帝国の時代
再度蘇る伝統世界―オスマン帝国と明清帝国
世界史の変動は地中海から起こった
「大航海時代」と環大西洋世界で成長する資本主義経済
アムステルダムの時代からロンドンの時代へ
都市爆発の時代
ヨーロッパ諸国が世界を支配した時代
激変する人類社会と宇宙船「地球号」
著者等紹介
宮崎正勝[ミヤザキマサカツ]
1942年東京生まれ。東京教育大学文学部卒業。筑波大学附属高等学校教諭、筑波大学講師などを経て、現在、北海道教育大学教授。専攻は、前近代の国際交流史、世界史教育、社会科教育学
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感想・レビュー
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くりりん
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昨今の流行ともいえるネットワーク論を用いた世界史叙述 受験勉強としては、教科書の補助に使うとより理解が深まるのではと思った
閑
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文明圏と都市ネットワークから成る「ネットワーク論」を主軸に世界史を概観する本。と、あとがきには書かれていて最初の方こそネットワーク論を中心に叙述しているが、他の大部分は教科書的な政治史の説明が8割、残り2割で思い出したようにネットワークの話が出てくるだけといったちょっと残念な感じの内容。それでも草原の道の具体的な行路と当時の状況など、それなりに専門的な類書でもほとんど言及しないようなことまで書いてあったりする。姉妹本の『モノの世界史』と内容がほとんどダブってるので、既に読んだ人は流し読み程度でいいかも。2011/10/16