内容説明
日本的意思決定のプロセスの中で昭和天皇と政治家・軍人たちの果たした役割を解明。
目次
第1章 天皇の行動を解く鍵
第2章 帝国海軍作戦計画と天皇
第3章 パールハーバーと意思決定
第4章 東条と天皇―相通ずる政治的信条
第5章 科学主義、歴史、儒教―天皇が受けた教育
第6章 古代の制度と外国文化―近代向けの新解釈
第7章 ヒロヒトの最初の助言者―牧野伸顕
第8章 結論
著者等紹介
ウエッツラー,ピーター[ウエッツラー,ピーター][Wetzler,Peter]
歴史学者。1943年米国生まれ。米国で教育を受けたのち日本に留学して、日本語と日本史、さらに、東北大学で日本思想史を学ぶ。その後、カリフォルニア大学バークレー校で博士号取得(平安朝の文人についての研究)。現在はドイツのルドヴィヒスハフェン州立経済大学教授、同大学東アジアセンター所長
森山尚美[モリヤマナオミ]
1947年、静岡県生まれ。東京外国語大学英米語科卒。外資系企業勤務等を経て、1978年よりフリー、ビジネスとジャーナリズム関係の翻訳および通訳を経て、現在は、ノンフィクションの翻訳家
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感想・レビュー
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なのは
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歴史を政治信条の道具にしようとする人には、この本はきっと退屈だろう。でも昭和天皇という人間を知りたいけど右にも左にも極端なのはちょっと…という人には読む価値のある本。作者は誰かを裁いたり擁護するためにこの本を書いていない。ただ歴史家として『歴史上の人物(昭和天皇)が実際にどんな人だったか、どうありたいと望んでいたか、自分をどういう人間だと思っていたのか』を探ろうとする。人を裁くのは検察や判事、擁護するのは弁護士の領分、作者は後世の知識で天皇を採点せず、歴史を探究する領分を全うした。2018/09/10