内容説明
時は9世紀。ヴァイキングの進出が始まった時代。冒険、戦い、神話と信仰、そしてケルト人の娘アンガラドとの出会い。海を舞台に剣をたずさえた少年ビャルニの5年間にわたる波瀾万丈の物語。
著者等紹介
サトクリフ,ローズマリ[サトクリフ,ローズマリ][Sutcliff,Rosemary]
1920~92年。イギリスを代表する歴史小説家。1959年、すぐれた児童文学にあたえられるカーネギー賞を受賞し、歴史小説家としての地位を確立した。1975年には大英帝国勲章のOBE、1992年にはCBEが贈られている
山本史郎[ヤマモトシロウ]
1954年、和歌山県に生まれる。1978年、東京大学教養学部教養学科卒業。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授。専攻はイギリス19世紀文学
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
12
「物語を通じて成長する若者」というテーマは、本書では最初と最後、同じようなシチュエーションに主人公を遭遇させ、その時にとった行動を通じて『成長』を感じさせる描かれ方。立場の違った者どうしの友情も彼女の著作に多く見られる。「辺境のオオカミ」で皮肉な結果になった友情は、今回は保たれたまま別れる。途中ビャルニの雇い主が暗殺される。彼の死の様子が事実に色づけして美しい詩で語られるシーンが出てくる。今に伝わる英雄達の詩はこのようにして吟遊詩人達の手で伝えられてきたのかと今まさに詩が作られていく様子を眼前で見る思い。2007/06/18
のれん
10
サトクリフが亡くなる直前に書き切ったという遺作。 後にヴァイキングと呼ばれる北欧の1つたるノルド人が主人公。最後まで変わらずサトクリフらしい少年が男へと成長する半生を描いている。 サトクリフの描く成長は挫折や諦観、敗北と別離が多いが、今作は意外と成功譚。もちろん冒険を途中で諦めたり、失敗の連続を経験したりするが、最後の凱旋で物語として締められる程度の余裕があった。 ヒロインとの恋愛も冒険が終盤に入って突然現れて、前払いの報酬のようにラブコメかましてくるなど、全体的に前のめりになる少年の熱さがなかった。2019/12/07
HISA
5
☆☆☆☆ビャルニと一緒に5年間を過ごしたかのような濃密な時間でした。イルカの指輪が出てきて、そうたったのねアンガラドと親近感。こうやって血が混ざり合っていったのですね。未来を感じる清々しいラストに大満足。大好きな一冊になりました。2025/03/24
本とフルート
5
どんどん未読のサトクリフの作品が減っていく。虚しい。キリスト教と北欧神話の信仰がぶつかり合う時代に生きた、ビャルニ。生まれ育った村を追われ、様々な困難を経た彼が、最後に下した決断には、胸が熱くなった。孤高という言葉にふさわしく生きていたアンガラドが、ビャルニと出会ったことで変わっていく様子もまた、心を打つものがあった。2020/10/26
myaown
3
9世紀頃イングランドの兄の元へ渡って来たヴァイキングの少年の物語。犬を庇って殺人を犯してしまい剣ひとつで村を追われ島々を転々とする。5年の歳月のうちに様々な出来事が少年を大人へと成長させる。サトクリフは少年期の押さえ難い衝動を描くのがうまい。キリスト教が世界を席巻して行ったのは統治機構と結びついていたためだろうと漠然と認識していたのだけれどサトクリフ作品を読むごとに、それだけではなく、人々の生活の中で自然に融合していった過程を容易に想像できる様になった。押付けられただけじゃ心の中までは入り込めないよな。2015/08/19
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