大観園の解剖―漢民族社会実態調査

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  • サイズ A5判/ページ数 294p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784562034451
  • NDC分類 368.2
  • Cコード C0022

内容説明

王道楽土を掲げる満州国の存立を昂然と嘲笑侮蔑する魔窟・大観園…ハルビン市の漢人地区の麻薬と汚穢と悪徳と悲惨。

目次

第1章 大観園の沿革(大観園の沿革;大観園の位置および見取図)
第2章 大観園の解剖(木賃宿の構成;木賃宿の経営;宿泊人;宿泊人の嗜好・モルヒネ;性欲労働者 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちい

5
その場所は、死と汚穢に満ちている。哈爾浜・大観園。足を踏み入れると、衣類をはぎ取られた全裸の死体が何体も転がり、そのすぐそばで構うことなく人々は飯を食う。悪臭漂う中淫売婦は男を誘い、盗品が売り買いされ、モルヒネ中毒者がさまよい歩く。そこには理性は存在せず、ただ食べ物と宿とモルヒネのための金をどう入手するかが最重要事項で、あらゆる悪行が横行する。満州国のただ中の魔窟を克明に記した調査記録。経営者・鄒氏の言葉は、邪悪だけれど一貫した論理で反論しがたく、序章から打撃をくらう。2015/10/11

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