内容説明
『赤い右手』のロジャーズが紡ぐ眩惑の密室中編、アダムズの伝説的作品「飛んできた死」初邦訳など、垂涎の密室ばかり。巻末特別付録として編者による「密室対談」を収録。
著者等紹介
二階堂黎人[ニカイドウレイト]
1959年東京生まれ。90年に『吸血の家』で第1回鮎川哲也賞佳作入選(刊行は92年)。92年『地獄の奇術師』でデビュー
森英俊[モリヒデトシ]
1958年東京生まれ。ミステリ専門の洋書古書肆“Murder by the Mail”を主催、おもに海外本格ミステリを紹介するかたわら、翻訳、評論などを手がける。『世界ミステリ作家事典 本格派篇』で99年に日本推理作家協会賞を受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紅はこべ
87
『赤い右手』の作者の「つなわたりの密室」の探偵役の耳の聴こえない劇作家は、クイーンのドルリー・レーンをやはり意識してるのかな。収められている作品群は広義の密室。足跡ものも密室に分類されるのね。トリックとして面白いのは「ガラスの橋」。「インドダイヤの謎」は笑える。「飛んできた死」は容疑者が意外すぎる。二階堂黎人氏と森英俊氏の対談解説は本格ファンにとっては嬉しい限り。2018/07/19
MATHILDA&LEON
19
これまであまり世に出ていなかった作品たちを集めた一冊で、タイトル通りどれも密室の事件。今でこそ様々なトリックがあるけれど、その当時では非常に珍しく、またその時代の流行もさり気なく載っていたりするので興味深い。個人的には『つなわたりの密室』が好み。2015/05/31
おふねやぎっちらこ
6
密室アンソロジー。最初の「つなわたりの密室」がページ数の半分を占めているが、私的には一番読みにくかった。他の短編作品くらいの短さに凝縮すればいい作品になるのにな。2021/09/03
schizophonic
4
スリラーと謎解きの境界線スレスレを行く「つなわたりの密室」が面白かった。密室トリックよりも〇〇ものとしてあっといわされた。異様な雰囲気を醸し出すぶつ切りの文章や探偵役の造形もいい。トリックでいえば目に鮮やかな「ガラスの橋」がお気に入り。「飛んできた死」はほんとうにしょーもないトリックだけど、ミステリ黎明期の作家にしか書けないおおらかな味があって許せなくもない。2010/12/10
ホームズ
4
選んだ人がマニアックだから(笑)2007/08/28