内容説明
ニュルンベルク法廷内でアメリカ側検事が、人種差別にもとづくナチの残虐行為について被告人を裁判にかけるいっぽう、裁判所のそとでは、白人アメリカ兵が黒人兵を差別し、けんか騒ぎを起こした。周辺でこうした出来事が演じられるなか、中央の舞台で繰りひろげられたドラマこそ、ニュルンベルク裁判だった。それは勝者による復讐だったのか、それとも真に正義を追求したものだったのか。さらに、ナチによる残虐行為に比べれば、他の参戦国の犯罪行為が見劣りするとはいえ、どうして敗戦国側だけがさばかれたのか…。本書は、さまざまに交錯するこうしたドラマを明らかにしようとしたものである。
目次
検察側論告
被告側弁論
判決の日